2打席連発で自己最多を更新だ。日本ハム中田翔内野手(26)が、オリックス20回戦で4回に28号の先制2ラン、6回には自己最多の29号ソロ本塁打を左中間席にたたき込んだ。今季3度目の複数本塁打で、自身初の30号に王手。6回の本塁打は近藤、レアードとの球団3年ぶりの3者連続アーチを誘い、チーム今季最多4本塁打で快勝。オリックス戦のシーズン勝ち越しを決めた。

 ゆっくりと帰りのバスへ歩を進めた。中田は8月28日ソフトバンク戦で痛めた右足首に加え、左膝上部にもアイシングを巻いていた。「クソ痛い」。7回の第4打席で左膝上部に自打球。苦痛に耐え、四球を選ぶと代走が送られた。ベンチへ引き揚げる主砲に、敵地ながら拍手が起きた。4番の仕事を果たした証拠だった。予期せぬアクシデントで途中交代も、今季3度目の1試合2本塁打。5回終了時の打ち上げ花火に負けない、神戸の夜を彩るインパクト十分のアーチショーだった。

 一気に殻を突き破った。4回に先制の28号2ランでシーズン自己最多に並んだ後の6回。オリックス西の初球。132キロのスライダーを、しばいた。勢いよく舞い上がった打球をチラリと確認した。走りだして3歩、確信した。視線を切った打球は左中間スタンドへ到達。シーズン自己最多を更新する29号ソロ。「狙っていた球」と、一振りで仕留めた。近藤、レアードとの3連発の口火となった。栗山監督は「ダメでしょ。49号くらいじゃないと」と言いながらも「やっぱり、ああいうところは4番がね」と、前回対戦で完投を許した西を打ち崩した主砲をたたえた。

 初の30号へ王手をかけた中田は今夏、スラッガーの本能をくすぐられた選手がいた。夏の甲子園を沸かせた怪物1年生、早実・清宮。今日6日にU18(18歳以下)ワールドカップで決勝戦に臨む高校日本代表の4番へ「プロに入ってくるのが楽しみだね」と早くも興味津々。規格外の注目度を浴びながら、聖地で本塁打も放った若き才能に「打てるっていうのは、技術があるから。いや~すごいよねぇ」。10学年下の高校球児からフレッシュな刺激を受けた、8年目の夏だった。

 同郷・広島出身のルーキー有原のプロ初完封も強力に後押しした。試合後は「ナイスピー」と声をかけ、好投をたたえた。残り21試合。今日6日は左膝上部の状態を見て出場を判断する見込みだが、野球人生に新たな1ページを加えた4番は気合十分だ。「ここまで来たら、1試合でも多く勝つだけ」。首位の背中は遠いが、4番のバットで目の前の試合を1つでも多く勝ち取る。【木下大輔】

 ▼日本ハムの中田-近藤-レアードが6回に3者連続本塁打を放った。球団では12年7月12日ロッテ戦(札幌ドーム)以来、3年ぶり10度目(北海道へ本拠地移転後は2度目)。当時も4番中田が最初で5番稲葉、6番陽岱鋼が、すべて渡辺俊から記録している。