ムチを入れろ! 阪神和田豊監督(53)が10年ぶりの優勝へ、今日8日から聖地甲子園で6連戦を迎えるチームにスパート指令を出した。巨人との直接対決を控えた7日、首位に立つ虎は異例の全員練習を行った。その冒頭で指揮官が「ムチを入れる時だ」と青空演説した。王者へのリベンジから始まる残り20試合。猛虎が最後の直線に入った。

 勝負の時がきた。それを物語る光景だった。連戦合間の休養日、甲子園に1軍全選手が集まった。鳥谷も、福留も、ゴメスも、マートンも…。午前10時の練習開始前、芝生の上にみんなが集まると、その輪の中心で和田監督が口を開いた。6分間、将として胸の内を語り、方針を示した。

 「残り20試合、第4コーナーに差し掛かった。ムチを入れるところだ。そのためにキャンプからしんどい思いをしてきたんだ。今こそ『as one』の精神でやっていこう。一番上を目指していこう!」

 指揮官は訓示の詳細な内容は語らなかったが、関係者の話を総合すると、優勝へ向けて、スパート指令を出したという。選手、コーチだけではなく、スコアラーらスタッフも加わってのV訓示。まさに天王山に向けての“結団式”だった。

 「(全員練習の意味は)選手が一番よくわかっている。そういう時期がきたということをわかっている」

 この日の練習では鳥谷が最後まで打球を追っていた。キャプテンの姿が選手の気持ちを代弁していた。優勝への思いは同じだ。

 ラストスパートの出発点は宿敵巨人へのリベンジだ。前回、東京ドームでの3連戦では屈辱的な3連敗を喫した。それだけではない。昨年も9月の甲子園で3タテを食らい、事実上の終戦を突きつけられた。優勝のためには絶対に越えなければいけないハードルだ。

 「巨人戦はいつもそういう気持ち。東京ドームで3つやられているんで、そういう気持ちが強い。1試合、1試合というのは変わらないけど、どの位置にいても我々はチャレンジャー。守るところじゃない」

 首位にはいるが、それを守るのではなく、セ・リーグ3連覇中の王者に挑む。その姿勢を強調した。相手は対戦成績1勝4敗のポレダ、0勝3敗のマイコラス、そしてエース菅野をぶつけてくる。

 「今まで戦ってきたことを生かしながら、チームとして結束して、1つになって攻略していきたい」

 苦手などとは言っていられない。内容よりも勝利が求められる。優勝をかけての最大の挑戦だ。

 「ここからは理屈じゃないから」

 最後に和田監督はこう言った。日々、技術を磨き、相手を研究して、ここまで戦ってきた。ただ、ここからはそれを超越した部分を求める。心のスイッチを入れろ-。指揮官が大号令を発した。【鈴木忠平】

 ▼阪神のマジック点灯は最短で11日。今日8日から(1)阪神4連勝(2)広島が1勝3敗以下(3)ヤクルト3連敗または2敗1分けのとき、M13となる。また(1)阪神3勝1分け(2)広島4連敗または3敗1分け(3)ヤクルト3連敗でも、同様にM13が点灯する。いずれもマジック対象球団はヤクルト。