ソフトバンク柳田悠岐外野手(26)が、MVP級の働きでぶっちぎりの優勝へ引っ張った。5年目の今季は驚異的な身体能力を生かし、爆発的に進化。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)は既にクリア。首位打者、盗塁王のタイトルも射程に捉えた。愛称ギータのフルスイングが、日本一連覇も引き寄せる。
ウイニングボールは柳田の元へ飛んできた。最後の打者秋山の飛球をガッチリキャッチし、バンザイ。「乗り遅れないようにダッシュしようと思いました」。笑顔でマウンドにできた歓喜の輪へ向かった。柳田がチームの中心として優勝に導いた。
マイナス思考を封じて今季に臨んだ。フルスイングが持ち味だが、キャンプ中には「三振は嫌ですよ。三振が2つ続いたりすると、次の打席では変なゴロでいいから当てにいこうと思ったりしますね」と明かしたこともあった。だが、自分のスイングを貫いた。
明るい性格で後輩の台頭も後押しした。開幕前、初の開幕1軍をつかんだ高田、塚田らに“ギータ基金”を企画した。出場1試合ごとに1ポイント加算し、シーズン後にプレゼントを贈るというものだった。ベンチ裏に「やなぎたゆうき」と署名を書いた誓約書を張った。それを励みに高田は今宮と遊撃のスタメンを争うまで成長し73試合に出場している。柳田は「あいつ出過ぎでしょ」と苦笑いしながらも喜んだ。柳田自身も1軍に定着し始めた12年のオフ、その年限りで引退した小久保裕紀氏(侍ジャパン監督)から数十万円の高級腕時計をもらい励みにした。それを柳田流で実践した。
柳田はよく「たまたまっす」と口にする。謙虚さと共に「一寸先は闇」と常に頭に刻み込んでいるからだ。昨年は夏場に体重が落ち、調子を落とした。今季は夏場も筋力トレーニングを行い、8月は月間MVPを獲得。「任されたところを全うできたと思う」と不動の3番でチームを連覇に導いた。昨年以上においしいビールになった。【石橋隆雄】



