一矢報いた。9回2死一塁。ヤクルト4番の畠山和洋内野手(33)が、意地の2ランで完封負けを阻止した。ソフトバンク武田の外角144キロ直球を強振し、左翼スタンドへ放り込んだ。「諦めていたわけじゃない。その場その場で最善を尽くそうと思って打席へ入った結果」と、最後まで集中を切らさなかった。

 チーム全体が4安打と消沈した中で、2安打を放ち存在感を示した。初回2死一塁でも、コンパクトなスイングでスライダーを右前へ落とし、チャンスを拡大した。「その時の場面で求められる役割を果たしたい」と、状況に応じて柔軟に打撃を変えた。「想像よりもボールが動いたし、追い込まれてからも外のボール球を振らされた」。2、3打席目は凡退したが、打席を重ねる中で対応して意地の1発につなげた。

 決戦前日から夫人と息子が福岡入りし、この日もスタンドから力いっぱいの応援を送っていた。最愛の家族の前で、弱った姿を見せるわけにはいかなかった。「今日は向こうのペースでやられてしまったが、次は違う。カーブがすごいと聞いていたが対応できたし、そこまで頭に入れすぎる必要もない」と攻略のイメージはつかんだ。完封負けなら2戦目にも影響が出かねなかったが、一振りでシリーズを通じて反撃への希望をつなげた。真中監督は「明日につながる1発だったと思う。まだ1戦目。普段通りの戦いができれば」と結んだ。このまま引き下がるわけにはいかない。【松本岳志】