巨人阿部慎之助捕手(36)が4日、今キャンプ初めてフリー打撃を行った。打撃投手のボールを91スイング。視察に訪れた内田打撃コーチからマンツーマン指導され「壁ドン禁止」と独特の表現で助言を受けた。要点は、2日に松井秀喜臨時コーチ(41)が提唱した「軸足に体重を残す」と共通。1月の自主トレ段階では「15・7%」だった仕上がり具合も「23%」へと上昇し、第2クールに入る。

 午前11時9分、阿部が打ち返した1球目がネットに突き刺さった。玉峰打撃投手が投じるボールを31分間、91スイング。打撃フォームのチェック項目を確認しながら、山なりのボールを丁寧に打ち返した。「(体が)反っくり返るくらいで打ったよ」。右足をスッと上げ、軸足となる左足に体重を乗せ、ため込んだ力を白球に衝突させた。

 今季初のフリー打撃の最中、視察に訪れたのが、内田打撃コーチだった。ケージ裏、横からチェックを重ね、ポイントを指摘。気が付けば、1球ごとに微調整を加えた。ジェスチャーを交えながら、開講された「内田塾」の講義内容はシンプルでも、表現は独特。阿部は「企業秘密」と笑いながら「壁ドンだな」とキーワードを挙げた。

 要点を伝えるのに、最適な技法だった。内田コーチは「構えた時に前(体の右側)に壁を置いて、そこに突っ込まないようにするため」と解説した。「壁ドン」とは壁際の相手に対し、手をつき、顔を近づけるしぐさだが、打撃では前に突っ込むことはご法度。悪例を出し、理想的な打撃フォームを連想させた。

 その教えは、松井秀喜氏の指導にも通じた。2日に行った打撃講義ではA・ロッドらの例を挙げ「軸足に体重を残して打つこと」を主題に指導したが、内田コーチは「松井が言ってることと同じ」と説明した。表現を違っても、軸足に体重を乗せ、しっかり間を作って、スイングすることの重要性を説く言葉だった。

 独自調整組のS班での第1クールを濃密に消化した。この日もブルペンで、田原誠に「インハイ(内角高め)」の有効性を強調。キャンプ前は「消えるよ。『ウォーリーをさがせ!』みたいに」と言いながら、存在感は絶大だった。「23%だな」と仕上がり度も上昇。高橋監督が16日からの沖縄キャンプでの全体合流を示唆する中、着実に戦闘態勢を整える。【久保賢吾】