ソフトバンクが阪神に8-4で圧勝して、2年連続6度目の交流戦勝率1位を決めた。5回、城所龍磨外野手(30)が右翼へ6号満塁本塁打。交流戦の打率4割1分5厘で首位打者、本塁打も5本を放ちMVPの有力候補だ。セ6球団のどこにも負け越すことなく、貯金は9個殖やして「27」とした。勢いを増しながら3連覇を目指すパ・リーグへ舞台を戻す。
ブレーク中の男に聖地の女神も味方した。0-0の5回、2死満塁から今宮の押し出し四球で先制した直後。城所は阪神岩貞が動揺したところを逃さなかった。甘い直球を捉え、右翼席まで運んだ。「奇跡! 右翼を守っていて、雨降って浜風が吹いていないと感じた。手応えはあったのでいくかなと思った」。力強い弾道のグランドスラムで甲子園を揺るがせた。
昨年までプロ12年で本塁打1本の男が、今季6本目。しかも、交流戦で5本を量産した。工藤監督も「面白いと言うと失礼だけど、予期しないところで打つよね」と大喜びだ。交流戦に入り、それまで右翼で出ていた福田、江川が降格。2カード目の広島戦からスタメン出場し「2番・右翼」を確保した。
秋山前監督時代は代走、守備固めのスペシャリスト。当時、春のキャンプでレギュラー取りを聞かれると「それぞれに役割がある。レギュラーを取るとかは言えない」と話していた。工藤政権になった昨年は故障が重なり1試合しか出場できなかった。今年の交流戦のファンに向けたテーマは「夢をかなえる交流戦」。ずっと脇役だった城所が言葉には出さなかったレギュラーという夢をかなえた。
7日DeNA戦では2年ぶりに1軍登板した山田が1100日ぶりに勝利を挙げるなど、投打に選手層の厚さを改めて示した。広島に1勝1敗1分けとした以外はすべて勝ち越し。圧倒的な強さで13勝を稼いだ工藤監督は「特別な戦い方はしていない。普段通り。いくら勝っても選手たちが勝ちに欲を持ってくれたからだと思う」と話す。
打撃開眼で1番に定着した今宮、そして2番城所が打ちまくり打線がつながった。城所は「僕はただのスタメンです。その日暮らし。毎日が必死です」と、初心を忘れない。日本一3連覇へ向けチーム内の競争はますます激しさを増している。【石橋隆雄】



