5年目の菅野がプロ入り最高の成績を残した。17勝、防御率1・59、勝率7割7分3厘はすべて自身最高の数字で、最多勝と防御率の2冠を獲得。最多勝は初めてだったが、最優秀防御率は14、16年に次いで早くも3度目。防御率のタイトルは稲尾(西鉄)の5度が最も多く、3度以上は菅野を含め9人しかいない。プロ5年目までに3度獲得したのは、新人の56年から3年連続の稲尾に次いで2人目だ。

 菅野の白星を見ると、4度の完封勝ちを含め0失点で10勝を挙げ、残りの7勝が1失点。今季の17勝はすべて1失点以下で記録し、3点、4点と取られながら勝ったラッキーな白星は1度もなかった。クオリティースタート率100%で24勝0敗の13年田中(楽天)は1失点以下で15勝。統一球の影響で投高打低の11年も1失点以下の白星は田中の16勝が最多で、1失点以下で17勝以上は0失点で8勝、1失点で9勝した78年鈴木啓(近鉄)以来、39年ぶりだ。それ以前には1失点以下で20勝(救援勝利含む)以上の投手がいるものの、今季の菅野が達成した「全白星が1失点以下の最多勝」は、プロ野球史上初の快挙だった。

 粘り強いピッチングが持ち味だ。走者を得点圏に置いた場面では両リーグ1位(規定以上)の被打率1割5分6厘で、満塁では9打数0安打。被本塁打はソロ6本、走者一塁で4本と、プロ入り初めて走者得点圏で1発を許さなかった。この粘り強さのおかげで、敗戦投手となった2試合を含め、先発した25試合のうち19試合を1失点以下に抑えた。菅野の防御率1・59はセ・リーグ歴代18位。セ・リーグ最多勝投手の防御率としては、58年金田(国鉄)54年杉下(中日)66年村山(阪神)に次いで4番目に良かった。【伊藤友一】

 
 
 
 

◆1点差試合で勝率3割2分5厘…両リーグワースト


 ▼5~6月に球団ワーストの13連敗を喫した巨人は勝率5割1分4厘の4位。13連敗以上したチームが勝ち越すのは初めてだったが、06年以来のBクラスとなり、CS出場を逃した。今季は接戦に弱く、1点差試合が13勝27敗、勝率3割2分5厘。1点差試合の勝率はヤクルトの3割6分2厘を下回り、今季両リーグ最低だった。特に、東京ドームの1点差試合は●●●●●●○○○●●●●●○●の4勝12敗。同球場の1点差試合が昨年の15勝3敗、勝率8割3分3厘から勝率2割5分へダウン。本拠地で接戦を取りこぼし、Bクラスに終わった。