昨季限りで西武を退団し、クリケット選手に転身した木村昇吾内野手(37)が21日、埼玉・所沢の西武第2球場を訪れ選手たちにあいさつした。

 自主トレ中の後輩たちと握手するたび「難しいですか?」「打ち方は?」「試合、長いんですよね?」と聞かれた。「(昨秋の)トライアウトを受けて、自分の中では『まだ動ける、やれる』という思いがあった。野球を続けたかったので残念と言えば残念ですけど、そんな時に『やってみないか』と、白羽の矢を立てていただいた。精いっぱい頑張って、その声に応えたい気持ちが強い」と、強い目で語った。

 イギリス発祥のクリケットは日本でなじみが薄いが、バットとボールを使うなど野球との親和性があり、ベースボールの起源という説も根強い。競技人口はサッカーに次ぐ世界2位。南アジアで特に人気があり、インドでは年俸30億円を稼ぐ選手もいるという。「人がやったことがないという点にも引かれました。まずは日本代表に選ばれるような選手になって。インド…そこからですよ」と木村。挑戦が、プロ野球選手のセカンドキャリアを切り開く可能性も秘めている。【宮下敬至】