阪神5連敗の光は、ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)だ。「1番三塁」で楽天戦に先発。岸を打つなどただ1人のマルチ安打で、開幕スタメンにまた前進した。

見せ場は5点を追う3回2死三塁。岸の2球目、124キロのチェンジアップをとらえて右前適時打を放った。「準備だけしっかりしようと思っていた。1打席目はできていなかったので。体が反応しました」。昨季11勝を挙げ、最優秀防御率のタイトルも獲得した球界を代表する右腕との対戦。「真っすぐが強いイメージだったので、振り負けないようにと思っていました」。初回先頭で二ゴロに終わった反省も生かし、ドンピシャでとらえた。

1本では終わらない。8回の最終打席では青山の初球、141キロの直球をとらえて右前打。4打数2安打1打点と奮闘した木浪を矢野監督も手放しでほめた。

「毎日、木浪やな。岸からも1本打てたしね。そういうことも含めて、いろんな部分でまた前進したと思う。ショートもちょっと、どこかで使いたいと思っているよ。(レギュラー争いに)間違いなく入ってきたと思う」

オープン戦はこの日初めて三塁で出場。6回にはファンブルして失策がついたが、指揮官の評価はゆるがない。ここまでオープン戦で打率4割5分4厘は、10打席以上に立った阪神選手の中でトップの数字。練習試合も含めた実戦打率は驚異の5割1分5厘だ。「思い切ったスイングができた。それが結果につながっていると思います」。スーパールーキーがどこまでも突っ走る。【磯綾乃】