逆転の虎で令和初の「伝統の一戦」を制した。阪神は1-2の7回に代打北條の適時打で追いつくと、主将の糸原健斗内野手(26)が決勝の2点適時打を放った。
巨人戦は開幕から6連敗、昨季から9連敗だった。虎党の留飲を下げる勝ちっぷりで、負の連鎖をストップ。矢野監督も「忘れられないジャイアンツ戦初勝利」と大興奮だった。これで首位巨人と2ゲーム差。ここから反攻の始まりや!
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虎のキャプテンが悪夢の連敗地獄をストップさせた。2-2の同点に追いついて迎えた7回2死満塁。打席に向かったのは目をぎらつかせた2番糸原だ。カウント2-1から左腕戸根の4球目。内角143キロに食らいつくと、打球は二遊間を抜けてセンター前に弾んだ。
「満塁なので決めてやるという強い気持ちだった。みんながつないでくれたチャンスだったので走者をかえしたかった。ヤギ(青柳)も頑張って投げてくれていたので」
三塁マルテに続き、二塁北條も本塁を駆け抜けると、三塁ベンチは大騒ぎ。打った糸原は、一塁塁上で右手を突き上げた。
指揮官の熱く激しいタクトに兵が応えた。矢野監督は「あそこしかないというくらいの思いでいった。俺も積極的にいきたいし、いなくなったらいなくなってから考えればいいかということで思い切って」と勝負どころを振り返った。1-2と1点ビハインドで迎えた7回の攻撃。虎の将が攻めダルマと化した。
初っぱなからだ。まずは先頭福留が代わりばなのアダメスから中前打を放つと、迷うことなく代走江越を投入した。1死一、二塁で巨人ベンチが左腕戸根をマウンドに送り込むと、木浪に代えて上本、続く青柳には北條と怒濤(どとう)の代打攻勢。その北條が同点となる左前適時打を放ち、糸原のV打につながった。
開幕から続いていた巨人戦の連敗は「6」でストップした。ヒーローの糸原は「やり返したいという気持ちだった」と振り返った。矢野監督は「めちゃくちゃうれしい。チーム全員で勝った1勝やと思う。そういう意味でも忘れられないジャイアンツ戦初勝利になった」と興奮気味に話した。令和初の「伝統の一戦」。負けられない戦いを矢野阪神が制した。【桝井聡】
▼阪神は今季巨人戦の初戦からの連敗を6で止めた。球団ワーストは7連敗で、67、87年の2度あった。巨人戦勝利は18年8月26日(東京ドーム)以来、261日ぶり。今季これまで6戦で試合中に1度もリードを奪うことができなかったが、7回糸原の適時打で挙げた勝ち越し点を守りきって初白星を挙げた。