日本ハムのサウスポー継投が、はまった。楽天9回戦(東京ドーム)は今季5度目の完封リレーで快勝。栗山英樹監督(58)が「結果的にね」と振り返った徹底した投手起用が、最高の結果に結びついた。

楽天打線の弱点を、突いた。先発の加藤から2番手は堀。3番手は公文で4番手は宮西だった。全員の共通項は「左腕」。左投手をつぎ込んだ結果、8回まで2安打無失点と沈黙させることに成功した。「状態が、いい人に行ってもらっている」と指揮官は説明したが、個々の調子に加えて、左腕を並べる起用を後押しするデータもあった。

楽天打線は今季、不思議と左腕を打ち崩せていない。試合前まで、対右腕のチーム打率が2割8分2厘だが、対左腕は1割9分9厘だった。厚沢ベンチコーチは「毎試合そうだけど、データを見て、状況も見ながら、行ける選手を監督とも考えている」と話すように、この日は守護神の秋吉につなぐまでは、とにかくサウスポー攻めを通した。

左腕も、期待に応えた。「状態は悪くなかった」という加藤は5回を1安打無失点と完璧に抑え込み、試合の主導権を渡さなかった。8点リードを大逆転された翌日の試合だけに、栗山監督は「あれぐらい完璧に行ってくれないと、一気に行かれる可能性はあった」と左腕陣の先陣を切った加藤の好投をたたえた。

大胆な守備シフトや、ショート・スターターなどの投手起用だけではない、データ戦略も実って、2カード連続の勝ち越し。大逆転負けのショックを振り払い、18日からは1・5差で追う首位ソフトバンクとの2連戦(熊本、鹿児島)に臨む。【木下大輔】

▽日本ハム木田投手チーフコーチ(完封リレーの投手陣に)「昨日、ああいう(8点差逆転)負け方をしている中で、みんなが気持ちを切り替えて頑張ってくれた。特に先発の加藤が頑張ってくれた」