楽天が「日本生命セ・パ交流戦」でチーム新記録となる1試合7本塁打の猛攻で、セ・リーグ首位の広島に大勝した。打線の軸、3番浅村栄斗内野手(28)が2打席連続本塁打をマークし、全12球団からアーチを達成。猛打で勢いを取り戻し、首位日本ハムを追いかける。

杜(もり)の都の夜空を7発の花火が彩った。主役は不動の3番浅村だ。

2回2死、カーブを捉えチーム5発目となる15号ソロを右中間へ運ぶと、4回2死ではチーム6発目となる2打席連発の16号ソロを、同じく右中間席にたたき込んだ。「(15号は)変化球を狙ってました。イメージ通りです。(16号は)理想の打球方向でよかったです。もともと誰が4番でも後ろにいい形でつなごうと思っているので」とうなずいた。ここ5試合はブラッシュが4番に座るなど、前後の打者は目まぐるしく変わるが、どっしり構える3番が大きな存在感を示した。

しっかりとした信念を持って打席に立つから、好不調の波が小さい。「無理に勝負は仕掛けないように。積極的に行きつつも、甘い球、ストライクゾーンを打つという意識でやっています」。主砲の安定感はチームメートにも好影響をもたらす。先頭打者弾の茂木は、お立ち台で好調の要因を問われ「浅村さんです。ハイ。とてつもなく大きい。セカンドでどしっとしてくれて、僕も落ち着いてプレーできている」と笑顔。浅村も「茂木『さん』が勢いを与えてくれたので、それに乗っかっただけです」と3学年下の遊撃手をたたえた。

チーム新記録となる7本塁打での大勝にも「もう今日で忘れて、また明日からやりたいと思います」と淡々。常に冷静に、落ち着いた姿勢で、楽天打線をけん引し続ける。【鈴木正章】