セ・リーグ首位を独走する巨人に新戦力が加わり、後半戦開幕を白星で飾った。

7回から登板した新外国人ルビー・デラロサ投手(30)が、最速157キロで1回無失点でデビュー。延長11回に敵失と亀井善行外野手(36)のだめ押し8号2ランで3点を勝ち越し、粘り勝った。延長戦の勝利は17年9月5日の中日戦以来、15試合ぶり。貯金18で2位に10・5ゲーム差を付け、5年ぶりの優勝へ18日にもマジックが点灯する。

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名刺代わりの剛速球で流れを変えた。1点を追う7回2死満塁、首を振った末に、デラロサが選んだのは「自分の武器」と豪語する152キロの直球だった。ヤクルト山田哲を見逃し三振に沈め、デビュー戦を無失点で終えた。「コントロールを保てば抑えられる」と3安打を浴びるも、勝負どころで最速157キロの直球を軸に力でねじ伏せ、8回の同点劇を演出した。

日本球界への挑戦は、ゼロからのスタートだった。15年にダイヤモンドバックスで14勝を挙げた実績から、チーム関係者からは一目置かれたが、当の本人は「それは過去の話。大事なのは今だから」と特別扱いを遠慮した。言葉通りに、練習2日目から1人で電車通勤。スマートフォンとにらめっこしながら、都内の自宅から川崎市のジャイアンツ球場へと向かった。

チーム内の競争意識も変えた。先発桜井が4回途中4失点で降板。2番手の鍵谷から、小刻みな継投に入って、5回から7イニング連続で無失点に抑えた。宮本投手総合コーチは「デラロサが来たもんだから、みんなが競争してるし、底上げしてる。大きいですよ」と新戦力加入の効果を実感した。

リリーフ陣の奮闘で、チームは2年ぶりとなる延長戦での白星を挙げた。後半戦初戦を白星で飾って、2位との差は最大の10・5ゲーム。最短18日にも優勝マジックが点灯する。5年ぶりの優勝に向け、新戦力が加わった巨人がさらに勢いを加速する。【久保賢吾】

 

▼巨人が球宴を挟んで4連勝。延長戦の勝利は17年9月5日中日戦以来となり、延長戦では同年9月12日阪神戦から14試合白星なし(6敗8分け)が続いていた。巨人は早ければ18日にも優勝マジックが点灯する。M点灯の条件は巨人が16、17日のヤクルト戦に○○、広島が16、17日のDeNA戦に●●、阪神が16、17日の中日戦で1敗し、DeNAが18日の中日戦に●。阪神が16、17日の中日戦に連敗の時はM49、1勝1敗の時はM48が出る。