広島が47試合ぶりの2桁失点で完敗した。先発九里亜蓮投手(27)が5回途中6失点。4番手塹江敦哉投手(22)は危険球で退場となり、ビシエドにダメ押しの2点二塁打を許した5番手中崎翔太投手(27)は2軍降格の見込みとなった。DeNAと入れ替わりで3位に後退。緒方孝市監督(50)は27日からの巨人、DeNA6連戦に向け「総動員で戦っていくしかない」と悲壮感を漂わせた。

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ここまで粘りをみせてきた投手陣が無残に打ち込まれ、緒方監督は言葉を探した。「状態がよくなかった。九里は調子があんまりかなと…」。あえて敗因を掘り下げず、悔しさを胸のうちにしまい込んだ。

苦しいチーム状況を象徴するように、失点が続いた。先発九里が4回につかまる。連続四球で走者をため、2回にソロ本塁打を浴びた阿部に左中間フェンス直撃の同点二塁打。さらに四球でピンチを広げ、この回3点を失った。5回にも2死から連打で二、三塁とされ、5回途中6失点。無類のタフネスでチームを支えてきたが「見ての通り。結果として点を取られている」と唇をかんだ。

2番手島内も悪い流れを止められず、4番手塹江は回をまたいで4失点。8回1死一塁で、京田のヘルメットのひさしをかする死球を出し、危険球退場となった。5番手中崎はビシエドに決定的な2点二塁打を浴び「(3失点した前日と)あまり変わっていない」と自己評価。2軍降格の見込みとなった。先発の駒不足に加え、救援陣が調子を落とし、苦しい投手事情が浮き彫りとなった。

2-6の7回に2点を返して意地を見せたが、野手陣も手負いの状態だ。攻守のキーマンである菊池涼が、2日連続で欠場。ベンチ入りはしたが、打席に立たなかった。2軍から呼び寄せた長野も出番なし。緒方監督は「キクはコンディション。大事をとって。来週からは大丈夫でしょう」と説明。長野については「週明けからスタメンも含めて…。みんな総動員で戦っていくしかない」と話した。

27日からは首位巨人、2位に再浮上したDeNAとの6連戦。4位阪神もAクラス浮上をうかがっている。泣いても笑ってもあと23試合。緒方カープが背水の陣を敷く。【村野森】