日刊スポーツ評論家の中西太氏(86=元西鉄、日本ハム、阪神監督)がヤクルト村上宗隆内野手へ激励メッセージを送った。

  ◇    ◇    ◇

大したものだよ。村上の強みはなんといっても広角に打てること。特に左方向に飛ばすことができるのは、外角球をバットで「押す」のでなく、しっかりと「打つ」ことができている証拠。柔軟性があるのも影響しているだろう。

わたしは高松一から西鉄入りした2年目の53年、打率3割1分4厘、36本塁打、36盗塁の成績を残すことができた。小柄だったから、ひたすらバットを振った。試合が終わって、帰宅後も庭でバットを振った。下半身を使って振るから、両手と足にマメができ、そのうち血がにじんだ。

村上に「毎晩、バットを振るんだぞ」と言うと「はい、振ってます」という返事だったから安心したよ。ヤクルトのコーチがちゃんと仕込んでいるよね。

村上が打つたびに、日刊スポーツに「中西太」の名前がでる。うれしいことだ。すくすくと大きく育ってくれよ。まだまだ打てるようになる。とにかく振ること、ひたすら振るんだ。野球界を背負って立つようなホームランバッターになってほしいね。(日刊スポーツ評論家)

◆中西太 なかにし・ふとし。1933年(昭8)4月11日、香川県生まれ。高松一から52年西鉄入団。西鉄黄金期を支え、本塁打王5度、打点王3度、首位打者2度。62年から監督を兼任し、63年リーグV。69年引退。その後も監督、コーチとして阪神、巨人など7球団を渡り歩いた。現役時代は174センチ、93キロ。右投げ右打ち