マジック4の巨人が、5年ぶりの優勝へ向けてカウントダウンを開始する。

原辰徳監督(61)は17日、18日からの中日2連戦(ナゴヤドーム)に向けて選手とともに名古屋入り。最短優勝は20日のDeNA戦(横浜スタジアム)で、1日でも早く勝てば優勝が決まるマジック2以下とすることを望んだ。中日戦は第1戦がルーキー高橋、第2戦はメルセデスが先発する。

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発車アナウンスが鳴り始めた新幹線の下りホームで、原監督が足を止めた。マジック4で臨む中日戦の戦いについて問われると「まだまだですよ。1歩1歩です」と普段通り一戦必勝の姿勢を貫き「明日勝ったら優勝だっていう風に、早くなりたいなとは思うけどね」と続けた。

明日勝てば優勝-。20日からはマジック対象チームDeNAとの直接対決が控える。DeNAは19日に試合がないため、中日2連戦で減らせるマジックは最大「3」。2試合でマジック2以下とすれば、指揮官が望む「勝利=優勝」の状態で横浜入りが実現する。

歓喜の瞬間に向けて、選手も臨戦態勢を整える。16日の阪神戦で足の張りを訴え、6回の守備から途中交代した坂本勇については「大丈夫だと思います。決して悪くないから」と大事には至ってない状態とした。15日に両手に死球を受けた阿部も、先発出場が可能な状況になっている。

投手陣は中日戦の高橋、メルセデスに続き、20日のDeNA戦はリーグ最多14勝の山口が先発予定。「もちろん楽しみですよ。14年目で優勝争いして、初めての感覚の中で野球ができている」としびれる状況で投げる喜びを感じている。最後の「優勝」は柳ケ浦高(大分)2年秋の明治神宮大会。「FAで出て行って、そういう可能性があるところで横浜スタジアムというのは、不思議な感覚になりますね」。

先発陣は登板予定のない遠征は残留するケースが多いが、名古屋には山口、桜井が同行する。5年前、最後の優勝を決めたのも横浜スタジアム。歓喜を再現するためにも、中日2連戦の戦いが重要になる。原監督は「コメントとしてはまだ何も出すことがない。『1歩1歩です』と言うしかないね」と再び乗車口に歩みを進めた。新幹線が発車するまで40秒間。「1歩1歩」と3度言って敵地に向かった。【前田祐輔】