2位ソフトバンクが継投ミスで日本ハムに1-8で敗れ、崖っぷちに追い込まれた。

難敵有原から松田宣の30号ソロでようやく1点を奪って2点差とした直後の8回、工藤監督はマウンドに8月12日以来40日ぶりの加治屋を送り込んだ。しかし、制球が定まらず3四球で2死満塁。8番平沼に右翼へ走者一掃の適時三塁打を浴び、試合の流れを決定づけられた。

ブルペンには高橋純、モイネロがいたが、それぞれ4連投、3連投を避けるため昨季の「8回の男」加治屋を選択。この場面を問われた工藤監督は「そうですね…」と言ったきり、なかなか後の言葉が出てこなかった。19日に1軍登録された加治屋は「久しぶりなので」と試合前練習でヤフオクドームのマウンドを確認するなど、2軍で状態はよくてもブランクは隠せなかった。

工藤監督は「負けられない試合の中で僕なりに考えてベストの選択をしてきたつもりだが…」と声を絞り出した。甲斐野が発熱による体調不良で19、20日と2試合ベンチを外れ、右肘違和感で武田を先発から中継ぎへ配置転換するなど、大詰めを迎えても故障に泣かされ続けている。

この日がレギュラーシーズンの本拠地最終戦。試合後のセレモニーで工藤監督は「残り5試合、死にものぐるいで一戦必勝の心をしっかり持って戦っていきたい。絶対勝つんだ、絶対日本一になるんだ」とリーグV奪回を諦めずに戦うことを満員の鷹党の前で誓った。勝ち続けるしか道はない。【石橋隆雄】

▽ソフトバンク加治屋(8回から登板も2/3回3失点で2軍降格)「直球に自信をつけて(1軍に)上がってきたのに、マウンドで力が出せなかった」