広島赤松真人外野手(37)が22日、マツダスタジアムで現役引退会見を開いた。17年オフに胃がんの摘出手術を受け、1軍復帰を目指してきたが、ユニホームを脱ぐ決断をした。同僚菊池涼介内野手(29)松山竜平内野手(34)も見守る中「ここまでやれたのはみなさんの声援のおかげ。感謝したい」と話した。

胃がんが発覚したのは、16年12月。個人的に毎年受けていた検査に初めて胃の内視鏡検査を追加し、見つかった。「あれがなければ死んでいたわけですから」と振り返る。年明けに、現役プロ野球選手初の胃がん摘出手術を受けた。その後リンパ節への転移が見つかり、抗がん剤治療を受けた。7月に3軍で練習を再開し、昨季2軍戦で復帰。オフに減額制限いっぱい、25%ダウンの推定年俸2025万円で契約を更改した。

「ラスト1年」と覚悟を決めていた。1月の自主トレでは「戦力になれないのであれば(引退の)覚悟はあります」と話した。自らのパフォーマンスを上げようと、必死に戦った。それでも、若手を使うチーム方針もあり、今季2軍成績は出場49試合で33打数4安打、打率1割2分1厘、0本塁打、3打点、2盗塁。昨年より成績が落ちた。「とっさのプレー、相手に合わすプレーが0コンマ何秒遅れると致命傷になる。一番、力が衰えた部分」。ユニホームを脱ぐ決意が固まったという。

がん患者となったことについて「生きているだけでいいんだということが、そこがメインだった。野球は二の次ではないですけど、死んでしまったらどうしようもない。ふつうに生きていく、ということを感じた」と話した。

この日の中日24回戦後に予定されていた引退セレモニーは、台風接近による同カードの中止に伴い、振り替え開催される27日に行われる。今季最終戦で赤松は、ファンに別れを告げる。