慶大がサヨナラ勝ちで開幕8連勝を果たし、3季ぶり優勝に王手をかけた。1-1の9回2死一、二塁で代打の橋本典之外野手(2年=出雲)が、明大・森下暢仁(まさと)投手(4年=大分商)から左中間へサヨナラ二塁打を放った。優勝は慶大と法大に絞られた。次週で法大が東大に1敗でもするか、最終週で慶大が早大に1勝でもすれば、慶大の優勝が決まる。

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慶大・大久保秀昭監督(50)の目は赤かった。「よく勝った。ほんま、よくやった。何も言うことない。ようやった」と興奮を隠さなかった。森下に8回まで4安打、1得点に抑えられた。9回の攻撃前、円陣で熱く訴えた。「(3番手投手の)石井まで使ったんだ。絶対、この回で決めるぞ!」。

9回も簡単に2死。そこから二塁打と申告敬遠で一、二塁とし、最後は橋本典が決めた。カウント2-2でも「ただ2ストライクだと。切り替えられたのが良かったです」。初対戦の右腕のカットボールをバットに当てた。詰まりながらも左中間にポトリ。「実感ないです。何で、みんな僕のところに来るんだろうって」。小6以来のサヨナラ打に夢見心地。序盤から各打者が粘り、159球目で千金打が生まれた。

1年前、最終週の早慶3回戦で9回に痛恨の逆転負けを喫し、3季連続優勝を逃した。大久保監督は「去年ここで3連覇の夢を阻止された。絶対やり返そうと。いい準備をしたい」と力強く言った。開幕8連勝は同9連勝した01年秋以来。10戦全勝なら28年秋以来91年ぶりとなる。歴史的Vが見えている。【古川真弥】