ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使した福田秀平外野手(30)の「ホークス退団」が13日、濃厚となった。

この日、福岡市内のホテルで楽天と交渉した。これで交渉解禁から獲得を目指す全5球団との交渉が完了した。5球団とも4年5億円(金額は推定)を提示するホークスを上回る好条件とみられ移籍が確実。ホークスとの今後の交渉予定はなく、チームは大きな戦力を失うことになった。

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淡いピンクにえんじ色のストライプが入ったネクタイをキュッと締め、福田は神妙な顔で話した。

「同じリーグで毎年やっているチームから評価をいただいてうれしい。いろんな数字やデータを出してもらった。『すごくレベルが上がっている』と言っていただけた。今年の僕だけじゃなく、来年も再来年も期待してくださっている」。福岡市内のホテルで行われた楽天との交渉には石井一久GMらが出席。約1時間、膝を交え、高評価の言葉に喜びが募った。

FA交渉解禁の3日から速攻アタックをかけた西武、中日に続き6日にはヤクルト、ロッテと交渉。そしてこの日は最終球団となる楽天の評価を聞いた。金銭面の条件に加え「レギュラー獲り」を最大の移籍条件とする福田にとって5球団の提示は予想以上だった。各球団とも最大限の「誠意」で交渉に臨んだ。金銭的条件は5球団とも残留要請するホークスの4年5億を大幅に上回る内容のようで「すごくびっくりしている。すごく高く評価していただいて、身が引き締まる思いです。しっかり悩んで考えたいと思います」と口元を引き締めた。

5球団の交渉を終え、ホークス残留の可能性は限りなく少なくなったと言っていい。入団からプロ13年間、スーパーサブとして活躍した福岡の地を背番号「37」が離れるのは確実となった。ホークスとの再交渉の予定はなく、福田も「ホークスからは一番最初に話をいただいたので」と話すにとどめた。

悩み深い日々はまだまだ続く。移籍球団については「一通り話したので、これからじっくり考えたい。早いうちに決めたいですけど。でもしっかりと向き合って考えたい」。リーグV奪回、3年連続日本一を目指すホークスにとって大きな戦力が流出することになった。