広島ドラフト6位の丹生(にゅう)・玉村昇悟投手(18)は地元名産に負けない、プロ野球界のトップブランドを目指す。

新入団選手発表会見で質問者の要望に応え、地元特産物にたとえて抱負を語った。「僕の地元でも取れる越前ガニが全国でも有名。越前ガニも一緒の赤なので、その赤に負けない投手になりたい」。ユニークでビッグな意気込み。ドラフト1位の明大・森下をはじめ新人9選手、佐々岡監督、松田球団オーナーが並んだ会見で、最も大きな拍手を受けた。

ズワイガニのブランドとして知られる越前ガニ。地元の越前町は福井県随一の水揚げ量を誇る。自宅では1人1杯食卓に並ぶこともあった名産を食し、自然豊かな町を生かした坂道ダッシュや階段ダッシュの練習メニューでプロ野球選手にまで成長した。まだ言葉になまりが残る地元をこよなく愛し、母校「丹生(にゅう)」の名を全国に広めたい思いも強い。「読み方が難しくて読める人がなかなかいないので、これを機に知ってもらえたら」。全国では無名の左腕が、プロの世界で熱く、赤く。大きく育てば、北陸の港町は大いに盛り上がる。【前原淳】