ソフトバンク内川聖一内野手(37)が、2020年新打法で、獲得すれば球界最高齢となる首位打者を狙う。17日、宮崎・日向市で行っている自主トレを公開。「首位打者を取りたい気持ちも変わらないし、変える必要もないと思う」と熱い思いを口にした。新たなメニューを取り入れた自主トレで進化した打撃も手応え十分で、再びヒットメーカーに返り咲く。

   ◇   ◇   ◇

まだ夜が明けきらない早朝7時すぎ。日向市の自主トレ地に内川の姿があった。自身を含め、8人で練習がスタート。7時半からアップ、キャッチボール、ノックを終えると、今季から取り入れた「新メニュー」に黙々と取り組んだ。練習が終わったのは午後4時前。すべては今季にかける熱い決意の表れだった。

内川 いつでも打率10割を目指す気持ちは変わらないし、首位打者を取りたい気持ちも変わらないし、変える必要もないと思う。

これまで無意識にできていたことが、年齢を重ねるごとにできなくなっていることに気付いた。意識して出来るようにするために、メニューを個別に分断するのではなく、組み合わせる方法にチャレンジした。

ティー打撃でバットを振った後に、80キロのバーベルなど器具を使ってスクワットなどのウエートトレーニング。その後に60メートルほどのダッシュを数本こなした。元ハードル選手のランニングトレーナーらと考案したメニューを3回行った後、すでに取り組んでいる左足かかとを少し上げるだけの「すり足打法」で約40分のフリー打撃を行った。「自分と他人との感覚のズレを埋めるため」と、合間に携帯タブレットで撮影した動画で打撃フォームをチェックした。

内川 4番を打つようになって、打球を上げないといけないみたいに打撃を変えてしまった。今はその前の感覚を取り戻しつつある。引きつけて右方向ではなく、球をつかまえてスイングした結果、左方向への強い打球が打てるようになった。

38歳になるシーズンで首位打者となれば、球界最高齢での獲得となる。「感覚としては(横浜時代の08年に)打率3割7分8厘打った時や、ホークスに来て首位打者を取った時(11年)に似ている」。右打者最高打率&2000安打レジェンド男が、進化した姿でヒットメーカー復活を図る。【浦田由紀夫】