ソフトバンク東浜巨投手(29)が、新球習得で先発ローテーション再奪取を狙う。

21日は福岡・筑後のファーム施設で自主トレ。キャッチボール中に突如、ボールの握りを入念に確認し始めた。「ナックルカーブ行きます」。人さし指をボールに突き立てて投じた球は、低い軌道からギュッと鋭く変化した。

ソフトバンクではバンデンハーク、大リーグでもカブスの守護神キンブレルらが持ち球とし、昨季はカブス・ダルビッシュも投げた球種。東浜は昨年末に自主トレ仲間らとの会話からヒントを得て、習得を目指してきた。「遊びながらですけどね。ストライクが取れたり、バッターの反応が良ければ使えると思う。自分なりにアレンジしているところ。投げられてはいるので、後は使いものになるかどうか」と手応えを感じている。

もともとカーブも持っているが「今あるカーブは1回上にずれる。(新球は)まっすぐに近い軌道で曲がる。使い分けられたら理想的」と共存させる考え。代名詞のシンカーと合わせ、新たな武器となる可能性も十分にある。

17年に16勝を挙げ最多勝を取ったが、ここ2年は故障もあり不本意な成績。昨年6月には右肘手術を受けた。東浜自身は背水のシーズンと覚悟。「今年は開幕も早いですし、実戦も前倒しになる。しっかり試合で投げられる状態じゃないと。競争なので」と気合十分だ。「若干遠回りはしてますけど、チャレンジすることで見えてくるものもある」。新球を携え、再び先発の柱の座を取り戻す。【山本大地】