静岡・小山町出身でロッテからFAで加入した楽天鈴木大地内野手(30)が「5番三塁」で凱旋(がいせん)出場した。新型コロナウイルスの影響で無観客の中、バットでは2打数1安打に2四球とチャンスメークに貢献。守備でも三塁と一塁で軽快な動きを見せ、20日のオリックスとの開幕戦(楽天生命パーク宮城)へ向け、順調な仕上がりを披露した。

乾いた打球音だけが響いた。2点を追う2回。先頭で打席に立つと、DeNA先発ピープルズの真ん中に入ってきたナックルカーブをたたき一、二塁間を鋭く破った。後続が3安打を放ち同点に追いついた。7回には三嶋に9球を費やさせ、四球を選ぶしぶとさも見せた。4打席で3出塁し「完璧とは言えないけど、ヒットも出て内容は良かった」と振り返った。

生まれ育った故郷でプロで初めての試合だったが、自身の躍動する姿をテレビ越しにしか伝えられなかった。「オープン戦の日程を見てから、親族も楽しみにしていたが、世の中がこういう状況なので」と残念がった。

それでもリベンジの機会が残されている。静岡では6月27、28日に日本ハム戦が予定されている。「公式戦で再び静岡で試合がある。いろいろな方々に見てもらう機会は、次回までに取っておいて、良いプレーを見せたい」。今度こそ、地元ファンへ活躍する姿を届ける。【佐藤究】