虎が勝負の開幕ダッシュローテを組んだ。ソフトバンクからトレード加入した阪神中田賢一投手(37)が開幕2戦目となる21日ヤクルト戦(神宮)の先発に急浮上していることが4日、分かった。ヤクルト3連戦は開幕投手の西勇から中田、青柳の順番で臨み、2カード目となる24日からのDeNA3連戦(横浜)は高橋、ガンケルらが登板するプランだ。

   ◇   ◇   ◇

2020年矢野阪神の開幕ダッシュ構想が明らかになった。すでに内定している開幕投手の西勇に続き、大事なヤクルト2戦目に中田が先発する可能性が浮上した。開幕カードは経験豊富な2投手を投入し、3戦目には今後、週末の登板に回るとみられる昨季9勝の青柳の登板が見込まれる。開幕からいきなり右3枚が並ぶ勝負手ローテでツバメ打線を封じ込める。大胆な青写真だ。

プロ16年目を迎えた中田は昨年12月にソフトバンクから無償トレードで阪神に入団。その直後から若手に交じって鳴尾浜で投球練習をスタートさせると、キャンプ初日にはブルペンで58球を投げ、矢野監督を「ケンちゃん、飛ばしとったね」と驚かせた。通算100勝を挙げ中日、ソフトバンクでリーグ優勝と日本一をともに6度経験。屈指の経験と野球に対する真摯な姿勢を首脳陣も高く評価。重要な役割を託されることになりそうだ。

2カード目となる24日からのDeNA3連戦(横浜)は初戦に高橋、3戦目に新外国人ジョー・ガンケル投手(28=マーリンズ3A)がハマスタのマウンドに上がる模様だ。左腕高橋は昨季3勝9敗とシーズン終盤に苦しんだが、昨秋からカーブに取り組みレベルアップ。プロ3年目で初の1軍キャンプでは、矢野監督からMVPの1人に選ばれた。

196センチと長身のガンケルは、キャンプからゴロを積み上げる投球スタイルを高く評価され、矢野監督もローテ入りに当確ランプをともした。2カード目の3戦目に回ることで野手を含む外国人枠を有効活用できるメリットがある。オープン戦の次回登板は当初、10日DeNA戦を本人も口にしていたが、シーズン本番を見据えた「ガンケル隠し」で7日日本ハム戦(甲子園)に変更された。

DeNA2戦目は、先発を見据える新外国人ロベルト・スアレス投手(29=ソフトバンク)に加えて秋山、藤浪、岩貞が最後の椅子を争う構図になるとみられる。