ソフトバンクの開幕投手に指名されている東浜巨投手(29)が27日、見えない開幕へ向けて「再出発」した。チーム全体練習の最後にペイペイドームのマウンドへ。1人で高田と甲斐の2人を相手に34球を投げ、13日広島とのオープン戦(ペイペイドーム)以来、約2週間ぶりの「実戦マウンド」で調整した。

外野はポジションにつくわけではない「打撃練習」のような守備ながら、甲斐には6打席で1発を含む安打性4本、高田は4打席で安打性2本の結果だったが、東浜本人は「普通に投げられた。これから練習試合もどうなっていくか分からないなか(実戦の)準備はしっかりしていきたいと思った」と感触には納得していた。

3月20日から4月10日、そして4月24日。工藤監督から開幕投手を指名されてから自分の登板がだんだんずれていった。1度実戦から外れて調整するなど、調整の難しさを感じながらも「とりあえず4月24日まで1カ月近くあるんで、やることをやるしかない。練習できていることには感謝しないといけない」と口元を引き締めた。阪神から3人が新型コロナウイルス感染の検査で陽性が判明した。「誰にでも可能性はある」。あらためて足もとを見つめなおし、見えないながら開幕投手への準備を進めた。

工藤監督は「打者との対戦ということで間隔が空いていて、思い出したいということなので」と東浜の「実戦マウンド」実施を説明した。ますます混迷を深めるプロ野球の開幕だが、大役を任されている右腕は気を抜くことはない。【浦田由紀夫】