オリックスが14日、奈良県生駒市の近大グラウンドを訪れ、前日13日に今秋ドラフトで1位指名することを公言した佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)の練習を視察した。

牧田勝吾編成部副部長(46)と担当の下山真二スカウト(44)が2人で訪れ、牧田編成部副部長は佐藤に直接「福良GMの方から昨日の(スカウト)会議で佐藤君を指名することになりました。昨日の今日で思いを伝えたいと思って来ました。(地元)大阪の球団なので、ぜひうちのユニホームを着てほしい」と1位指名決定を伝え、熱烈なラブコールを送った。

兵庫県西宮市出身の佐藤にとって、オリックスは阪神とともに小さいころから直接観戦に行くなじみのある球団。佐藤は早々と1位を公言したことに「ありがたいこと」と感謝した。「打者では吉田正尚選手がずばぬけている。投手も年が同じ山本由伸がすごい。(近大の1年先輩の)村西さんもいますし」と、話した。

昨年のドラフトではヤクルト奥川、中日石川昴、ロッテ佐々木朗と1位競合の3選手はいずれも一番先に指名を公言した球団が引き当てた。佐藤も競合確実な中、牧田編成部副部長は「(昨年の)データは分かっていた。競合は片手(5球団)くらいは来るのでは。一番先に公言しただけに、勢いよく(ドラフト当日の)26日に進むのが、うちがドラフトで成功することじゃないかと」と、昨年のデータにもあやかっての公言だと明かした。

福良GMも映像で常にチェックしている。牧田編成部副部長は「バットの軌道がシンプルでスムーズ。『楽しみ』という言葉を随時に出されているのでGMも佐藤君にほれている」と話した。球団では三塁手として評価しており「1年目から打率2割7~8分、15本塁打。数年後には30、40発打てる」と、長い間主軸として期待できると見ている。

この日は西武、ヤクルトが調査書を佐藤へ届けた。これで12球団すべてが調査書を届け、この日の2球団を除く10球団が面談を行った。ドラフトまで2週間を切り、オリックスに続き1位公言の球団は出てくるのか、佐藤争奪戦は佳境へと向かっている。