DeNAアレックス・ラミレス監督(46)が、今季限りで退任することが23日、分かった。16年に就任し4年間で3度のAクラスに導いてきたが、今季はここまで借金2の4位。巨人が阪神に勝ち、優勝の可能性が完全に消滅した。後任は三浦大輔2軍監督(46)の昇格が濃厚。チームを知り尽くす「ハマの番長」に再建を託すことになりそうだ。

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ラミレス監督が今季限りで退任する。本拠地の広島戦に快勝したが、首位巨人も阪神に勝ち、優勝の可能性が消滅。ラミレス監督は「しっかり準備をして臨んだが、残念ながら期待に応えることができなかった」と話した。

昨年10月7日、2位で進出したクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージで阪神に敗退。南場オーナーから優勝を至上命令とされ、1年契約で臨んだ。戦力が充実しV候補とされたが、相次ぐ故障者に苦しんだ。先発では、18年新人王の東が2月に左肘のトミー・ジョン手術。8月中旬には今永、平良と左右の柱が相次いで離脱した。守護神の山崎が絶不調という誤算もあった。レイズに移籍した筒香に代わる中軸として期待されたオースティンも、故障で2度の戦線離脱に見舞われた。

采配を疑問視されることもあった。5・5ゲーム差で迎えた9月1日からの巨人3連戦(東京ドーム)では、先発のピープルズをリリーフに回し、3戦目には中継ぎのパットンを来日初の先発起用。ともに実らず3連敗を喫した。ここから勢いを失い、同13日に自力優勝の可能性が消滅した。

就任1年目の16年に3位でCS出場。17年はリーグ3位から日本シリーズに進出し、19年は22年ぶりの2位に導いた。野手を見抜く眼力に優れ、宮崎、佐野らが開花。テスト生から加入したソトは18、19年に本塁打王を獲得した。力量を評価する球団は編成面に関わるポストなどを用意し、引き続き球団に携わる可能性がある。

関係者の話を総合すると、後任は三浦2軍監督の昇格が濃厚となっている。大洋時代からチーム一筋25年、通算172勝のレジェンド。19年からラミレス監督の下で投手コーチを務め、今季から現職に就いた。イースタン・リーグでは39勝30敗で楽天と2・5ゲーム差の2位(22日現在)。若手を育成しながら好成績を残している。チームを知り尽くし、選手からの信頼も厚い「ハマの番長」は、再建にうってつけの存在と言える。新監督のもと巻き返しを図る。

 

◆三浦大輔(みうら・だいすけ)1973年(昭48)12月25日、奈良県生まれ。高田商から91年ドラフト6位で大洋(現DeNA)入団。97年に10勝3敗、勝率7割6分9厘でリーグ最高勝率。05年最優秀防御率、最多奪三振。15年にプロ野球記録の23年連続勝利。16年には投手最長の24年連続安打。16年引退。通算535試合、172勝184敗0セーブ、防御率3・60。引退後は19年にDeNA1軍投手コーチ。今季は同2軍監督。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。

 

◆アレックス・ラミレス 1974年10月3日、ベネズエラ生まれ。大リーグのインディアンス、パイレーツを経て01年ヤクルト入団。08年に巨人、12年にDeNA移籍。首位打者1度、本塁打王2度、打点王4度、最多安打3度、ベストナイン4度。08、09年にリーグMVP。13年に外国人初の通算2000安打。日本通算13年で2017安打、380本塁打。14年からBC・群馬のコーチ兼選手、オリックスの巡回アドバイザーを経て、16年からDeNA監督。180センチ、105キロ。右投げ右打ち。