楽天石井一久GM兼監督(47)が「9回制」の戦略に言及した。日本野球機構(NPB)と12球団が、今季は延長戦を行わず9回打ち切りとする方針を固めたことに「延長がある、ないだけでも戦い方は変わる。ピッチャーのベンチ入りの人数をどのようにしていくのかというのもある」と頭を巡らせた。

大きな違いは1枠の運用方法だ。昨季に続いて、今季も1軍選手登録人数は従来の29→31、ベンチ入りは25→26人に拡大される。19日のヤクルト戦にベンチ入りした野手は17人。先発ローテ6人を加えれば、残りは8枠となる。

当初はブルペンに9枠を割く考えもあったが、指揮官は「大きくビハインドしている時の投手を多くする必要もなくなる。『のるか、そるか』というか、三振かヒットかみたいな、そういう投手を逆に入れやすい」。涌井、岸、田中将、則本昂という、多くの投球回を稼げる先発がそろっていることもあり、特に劣勢時のロングリリーフ要員について、必要性の低さを指摘した。

野手陣の層の厚さも大きい。延長戦のない短期決戦の要素も増す中、野手に1枠を割ければ、ゲーム序盤~中盤から代打、代走、守備固めなどを積極的に起用し、主導権を持って戦える。

来日できていない外国人選手、指導者の入国を、条件付きで認められる方向となったことには「実際に許可が下りた時に、全て動くことになる。許可が出るのではないかという準備、出たらすぐにビザの発行、手続きができるような状況にしておくことは大事」と見据えた。現在、来日していない外国人選手は新加入のディクソン、カスティーヨ、コンリーの3選手。最善策をとる。【桑原幹久】