頼れる主砲が、マー君を後押しした。楽天浅村栄斗内野手(30)が1日、4月27日のオリックス戦以来、3試合ぶりの先制打となる左前適時打を放った。楽天田中将大投手(32)の2勝目、2分けを挟む今季初の4連勝に貢献した。

今カード初戦の4月30日からは、開幕から座り続けた4番から3番に。偉大な右腕のために、バットでサポートした。

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浅村が、食らいついた。3回1死一、三塁。カウント1-2からの5球目。低めに切れ込むロッテ二木の内角フォークに体をうまく回転させて対応。バットを合わせ、三遊間を破った。三塁ベンチ前でキャッチボールをしていた田中将に援護点を届けた。「甘い球をしっかりはじき返して結果を出すことだけを意識して打ちました」。技ありの一打で先制点を生み出した。

背中に力を感じている。今季田中将が先発登板した3戦は、いずれも二塁を守った。「後ろから見ていても投球の安定感はさすがだなと思います」。18年まで西武に在籍。13年に楽天がパ・リーグ優勝を決めた試合で三振に倒れた。あれから8年。時を経て、東北を沸かせたヒーローとともに同じユニホームを着て、プレーする。

今季で楽天在籍3年目。19年から2年連続で30本塁打以上を記録し、昨季は自身初の本塁打王を獲得したが、全30試合で1本塁打。「納得はしていないですし、物足りなさも感じています。ホームランは自然にどこかで出るとは思っているので、しっかりヒットを積み重ねていきたい」。状況ごとに求められる役割を果たす。打率3割2分6厘とハイアベレージを残す。さらに出塁率4割8分4厘はリーグトップ。最善を尽くす。

チームは引き分け2戦を挟んで今季初の4連勝。コロナ禍で制限は続くが、野球を楽しむために、多くの子どもたちが注目を集める。「少しでもいいお手本になるような、そしてプロ野球選手になりたいと思ってもらえるようなプレーをこれからもやっていきたいです」。人々を魅了するマー君とともに、これからもバットで夢を与え続ける。【相沢孔志】

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