2年目の阪神及川雅貴投手(20)が、ローテ入りが期待される後半戦へ向けて上々のスタートを切った。ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で、5月11日2軍戦以来の先発登板。許した走者は四球と味方の失策のみで、3回を無安打無失点に封じた。「全体的な修正が必要」と制球に苦しんだ立ち上がりの反省を忘れなかった。

今季1軍デビュー。ここまで全て中継ぎで15試合に登板して2勝1敗2ホールド、防御率1・56と抜群の安定感で僅差の場面でも起用された。すでに矢野監督は経験を積んだ若き左腕を、後半戦で先発起用する方針を明言。1軍では現状、左の先発は伊藤将だけで「自分も食い込んでいけたら。中継ぎはいつ投げるか分からない、緊張感というのは経験できたので、先発でも変に緊張はしないと思います」と自信をのぞかせた。

さらなる成長へ矢野監督は「打者目線」での打ちにくさを求め、現役時代バッテリーを組んだ下柳氏を例に挙げた。「シモ(下柳氏)も今の曲がり早いかなとか、落ちてる場所どうとか(考えていた)。それはバッター目線。ピッチャーは大きく曲がれば打たれにくいと思うけど、オレらは打ちやすい」。

及川も呼応する。「バッター目線からいったら真横に曲がるよりはスラーブっぽい、斜めに曲げられた方が打ちにくい」と横浜高時代から意識してきた。「矢野監督と思っていることは自分も一緒。そういうスタイルを目指す」。“下柳スタイル”で自慢のスライダーを改良し、後半戦の秘密兵器を目指す。【中野椋】

▽阪神馬場(4回に2番手で登板。1回をを10球で3者凡退)「ストレートを中心に投げていくのをテーマに挙げた。球自体の強さもありましたし、1人1人、打者を意図的に抑えることができて良かった。(前半戦は)投球自体も縮こまってしまった部分もあったので、そういうところを取っ払って後半戦につなげていきたい」