最速154キロ右腕の高知・森木大智投手(3年)は、阪神が外れ1位で指名し、交渉権が確定した。

高知中で軟式150キロを計測して騒がれたが、ひたむきに夢を追い続けてきた。早くからドラフト上位候補と評価され「自分が目標にしていた世界に近づいています」と気合十分だった。 武器は軽々と150キロを超える速球だけではない。ブレーキの効いたカーブやスライダーも制球がいい。投球フォームもバランスがよく、ドラフト前から「(市和歌山の)小園と双璧」「球界の宝になる選手」と、スカウトの高評価が続々集まっていた。

高知で生まれ育った剛腕。尊敬する投手を問われると、阪神で一時代を築いたクローザーを挙げた。「自分が野球を始めるキッカケになったのが藤川球児さん。火の玉ストレートに一番魅力を感じます。トップレベルでやっている方でも必死に野球をやっている」。同郷の剛速球右腕の背中を追い、プロの背中に飛び込んでいく。

慢心はない。高校3年間で甲子園には出場できず、挫折も味わった。7月28日の高知大会決勝では明徳義塾に敗れ、涙を流した。「やりきりました。プロ1年目から活躍できるように成長していきたい。日本を代表する投手になりたい」。プロを見据え、夏以降もブルペン投球を重ねる。「スプリットが必要になる。精度を上げたい」。プロで生き抜くため、課題を明確にして取り組む姿も頼もしい。夢のスーパーエースへ、その第1歩を踏み出した。 高知・高知市出身、184センチ、90キロ、右投げ右打ち。