日本ハムの新監督に就任した新庄剛志氏(49)が、指揮官としてどういう野球、チームづくりを展開するのか。「新庄baseball」と題して探る最終回は、阪神、メジャーなどで取材した寺尾博和編集委員が監督像を予想した。

  ◇  ◇  ◇

監督就任が決まって以来、新庄さんの話題で事欠かない。どういう監督像、いかなる野球をするかを問われて答えることのできる人は、まずいない。まさに“未知との遭遇”の世界としか言いようがない。

新庄さんの口から「監督をやってみたい」と聞いたのは、今年2月に会ったときが初めてだった。人生初のキャンプリポートとして、沖縄阪神キャンプで絡んだ際、本人から投げかけられた。

「教えることに興味がないことはないです。でも今のところオファーはきてません。でもオーナーから監督をやってほしいと声が掛かればやってみたい気持ちはあります」

こちらは「監督」と無縁だと思っていたから、戸惑った。この時点で日本ハムの話はかけらもない。でも本人は真剣だった。後で聞いた話では、日本ハムのキャンプ地、沖縄・名護をわざわざ車で通ったという。

今回は、新庄さん自身が“糸”をたぐり寄せたのかもしれない。監督が決まったことを受けて、ずいぶん前に彼を「宇宙人」と命名した者として、運命を感じずにはいられなかった。

小さいときには8度も交通事故にあったのに助かった。01年9月11日ニューヨーク同時多発テロが起きる前日、近くの銀行で出金したばかりだったので、まさに命拾いだった。

1年前のトライアウトは不合格で「もう1度プロ野球選手になる」といった夢はかなわなかったが、監督の座は手に入れた。勝負師かどうかは未知数だが、強運の持ち主であることだけは確かだ。

開幕すれば新庄フィーバーの反動が予想される。阪神時代は不振で球宴に出場すると応援をボイコットされた。「周りからばかにされようが真剣に生きてきた」。その心根で逆境もバネにすることは慣れている。

後は日本ハム本社、球団がちゃんとバックアップできるかをファンがみている。「挑戦しない人生はつまらない」。おそらくユニホームの着こなしにはうるさい。監督に上り詰めた覚悟は、わたしの胸に秘めておきたい。【寺尾博和】(おわり)