中日立浪和義監督(52)が10日、2年目高橋宏斗投手(19)に開幕ローテ入りの“内々定”を出した。ルーキーイヤーは1軍登板0だったが、大変身した2月のキャンプ実戦からの快投継続を高く評価。開幕までの残り2登板で最終合否を決めるとしたが、若き19歳の勢いに開幕ダッシュを託したい思いがあふれた。大野雄、柳、小笠原のドラ1開幕ローテ3本柱に、20年ドラフト1位右腕が抜てきされる可能性が高まった。

   ◇   ◇   ◇

高橋宏の“就職戦線”に朗報だ。「(ローテに)入ってくるんじゃないですか」。ナゴヤ球場で一部の投手と野手の指名練習を視察した立浪監督が開幕ローテの“内々定”を公表した。キャンプからの実戦3試合は、最速155キロの真っすぐを軸に打者を圧倒。ゲームメークもしっかり行い、防御率2・00の安定感を出してきた。指揮官が目指す開幕ダッシュへ、若き19歳の勢いを買い、大抜てきに前向きな考えを明かした。

19年秋の明治神宮大会で日本一に輝くなど、超高校級右腕として20年ドラフト1位で入団。1年目の昨季は右肘の不安もあり、1軍登板なく終わった。だが、オフに福谷の紹介で三重・津市のみどりクリニックに通い、関節の可動域や胸郭の使い方を学ぶなど、フォームも一から見直した。落合ヘッド兼投手コーチは2月のキャンプで「(昨年)秋と(今年)春で全然変わっている。投球は別人」と急成長を実感。高橋宏も実戦で結果を出し続け、開幕1軍どころか一気のローテ入りをアピールしてきた。

この日はナゴヤ球場の三塁側ブルペンで投球練習。途中から立浪監督自ら打席に立ち、打者目線でチェックも行った。「球の勢いがある投手なので、どれだけの感じの速さに見えるのかなと。真っすぐは速い。(指に)かかった球とかからん球がある。速さは武器なので楽しみ」。歴代8位の2480安打を放ったレジェンドも、大抜てきに間違いがないことを確認した。

ただし、正確な現在位置は内定に近い内々定か。「開幕してからのマウンドで、緊張した中で、どれだけ投げられるか。それだけじゃないか。次の登板で結果が良ければ(ローテに)予定はしているけど、あんまりにも悪かったらね」。12日の教育リーグ阪神戦(鳴尾浜)、19日からの楽天、ロッテとのオープン戦3連戦(バンテリンドーム)を合否の最終関門に定めた。

前回3日の敵地ソフトバンク戦は今年最長の4回で81球を投げ、5安打2失点にまとめた。12日に向けて高橋宏は「3球で2ストライクを取ることをテーマに、有利なカウントを作りたい」と気合十分。「(この先)6、7、8、9回と投げていきたい」と完投も視野に、快投を継続する意気込みだ。まずは、内々定を内定に変える。【伊東大介】

【関連記事】中日ニュース一覧

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日生まれ、愛知県尾張旭市出身。尾張旭市立三郷小2年から三郷ファイターズで野球を始め、同市立東中学時代は豊田シニアでプレー。中京大中京に進み、2年時の19年秋の明治神宮大会で全国優勝。20年ドラフト1位で中日入団。1年目の昨季は2軍で14試合に登板し、0勝5敗、防御率7・01。今季推定年俸は1400万円。186センチ、86キロ。右投げ右打ち。

<中日の開幕ローテ候補>

◎大野雄

◎柳

◎小笠原

○福谷

○高橋宏

△岡野

△松葉

△岡田

△鈴木

△笠原

◎=当確、○=有力、△=候補