ソフトバンクが今季初のサヨナラ勝ちで楽天を倒し、8日ぶりの首位に再浮上した。

試合を決めたのは途中出場の周東佑京内野手(26)だ。同点の延長10回1死一塁。守護神松井裕の真っすぐをとらえ、右翼越えの2号サヨナラ2ランを決めた。「頭が真っ白でした。慣れてないので。(サヨナラ打自体)人生初です。小さい頃もないです。チャンスに弱い人生だったので。誰も予想してなかったと思う」。自身もびっくりの殊勲弾に大興奮しながら、ナインの手荒い祝福を受けた。

1点リードの9回に守護神のモイネロが打たれ、同点とされていた。10回の攻撃では、無死一塁で前を打つ中村晃が送りバントを失敗の嫌なムード。藤本監督は「あそこでまさかホームラン打ってくれるとは思ってなかった。周東が全部ね、きれいに消してくれましたね」と感謝した。

周東にとって松井裕は同学年のあこがれだった。「高校時代から雲の上のような存在でした。面識はないです。テレビで見ていた人ですね」。高2夏に甲子園で奪三振記録を塗り替えるなど、大舞台で活躍していた世代のスターだった。あの夏から10年…。同じプロの世界で土をつけた。

楽天との首位攻防に連勝。リーグ戦再開前の1・5差をはね返し、再び首位に立った。藤本監督は「そこは1試合1試合、いい形で戦っていくだけなんでね。首位とかはまだ早いんで。いい形で、明日また戦っていきたい」と引き締めた。一気のスイープ3連勝で堅首を目指す。【山本大地】

▼周東が延長10回に松井裕から自身初となるサヨナラ本塁打。育成ドラフトから入団した選手のサヨナラ弾は初めてになる。また、松井裕からサヨナラ本塁打を打ったのは19年9月20日のメヒア(西武)に次ぎ2人目で、日本人選手では初。

○…先発大関が8回を1安打、7奪三振無失点と好投したが、5勝目はならなかった。初回のピンチをしのぐと2回以降は150キロ超の直球に変化球を織り交ぜ、8回まで二塁を踏ませなかった。だが1点リードの9回に代わった守護神モイネロが同点とされた。「完投はしたかったけど、試合を考えたら…。次は『(最後まで)行きます』と言えるように頑張りたい」。3試合連続勝利投手の権利を持って降板しながら白星に恵まれない左腕は、次回の雪辱を誓った。

▽ソフトバンク又吉(延長10回表を無失点でしのぎ、サヨナラ勝ちで移籍2勝目)「先発の大関が頑張っていたので、自分もという思いでした。同点での登板でしたが、先頭打者を出してしまったことは反省です。また明日も頑張ります」

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧