オリックス山本由伸投手(24)が負けられない首位西武との第1戦に、粘りの3失点で完投。2.5ゲーム差に詰めた。今季11勝目を挙げ、高卒6年目で通算50勝に到達した。

「絶対に勝たないといけない試合なので、いつも以上に気合を入れていました。それが出せて、すごく気持ちいいです」

リードは1点。当然のように9回もマウンドに向かった。中8日のエースは試合前から首脳陣に完投を託されていた。2死一塁から外崎を必殺の148キロフォークで空振り三振に切るとやっと笑みを浮かべた。135球は自己最多。「後半になるにつれて感覚が何とかマシになっていた。いけると思って腕を振りました」。最後までアクセル全開の熱投だった。

ベルーナドームの苦い記憶にも勝った。前回対戦となった2日は6回1失点と粘ったが勝てなかった。結果、チームは痛すぎる3連敗。流れの悪さを感じて、次の10日楽天戦では契約するナイキのロゴを反転させたグラブを手にして、8回無失点の好投。「何か変えたいなと思って。技術や試合の入り方は変えたくないから、おしゃれ要素で」。今回は通常のグラブに持ち替え、同じ球場でリベンジした。

高卒6年目での50勝は、球団では入団5年で50勝した星野伸之以来。右腕に限れば3年目の58年に53勝に到達した米田哲也までさかのぼる。最初の2年は救援登板が中心だったが、3年目からハイペースで白星を重ねてきた。これで規定投球回もクリアした。

17日が24歳の誕生日だった。昨年から名コンビを組む若月からは「アマゾンカードをもらいました」。その若月は2打席連発で最高の援護をしてくれた。「いろいろな方に教わったりして、ここまでは来られた。すごい先輩方がたくさんいるので、ここから積み重ねていきたい」。2連覇への踏ん張りどころで、エースの仕事を果たした。【柏原誠】

▼オリックス山本がプロ通算50勝目。高卒6年目以内に50勝へ到達したのは18年藤浪(阪神=10→11→14→7→3→5)以来。球団では、旭川工から83年ドラフト5位で阪急(現オリックス)に入団した星野伸之(0→2→9→11→13→15)以来、33年ぶり。右投手では、56年に境から入団し、高卒3年目の58年に到達した米田哲也(9→21→23)以来。ドラフト制後では、高卒投手の最速50勝は68年鈴木啓(近鉄)69年江夏(阪神)の3年目。

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