反攻態勢-。広島秋山翔吾外野手(34)が30日、1・5ゲーム差で追う3位阪神との3連戦初戦(甲子園)から1軍に復帰する。

発熱で23日から離脱。28日に練習参加したものの、出場選手登録は見送られた。この日は野間、上本とともにマツダスタジアムで調整し、敵地へと向かった。まずは代打待機となる見込みも、頼れるバットマンの帰還は連勝中のチームの追い風となるはずだ。

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周囲をひと安心させる動きだった。秋山は青空の下、前日28日に新型コロナ感染から1軍復帰した野間、上本とともにマツダスタジアムで汗を流した。3選手並んでのショートダッシュに、外野ノックに打撃練習。時折笑顔を見せながら、状態を確認。最後は1人グラウンドに残り、ショートダッシュをおかわりして引き揚げた。

「久しぶりに外で野球がやれて楽しかったなという方が強かったかもしれないですね。でも、自分なりにポイントを押さえながら。ポイントというのは体のチェックをするところとか、動きの確認はできたので、そこは良かったと思います」

練習参加初日の前日とは違う感覚があった。離脱者が相次いだチームに続々と主力選手が復帰。チームは巨人に連勝して4位に浮上した。いい流れになりつつある中、約1週間ぶりの1軍復帰となる。「二十数試合だと、どう転んでもおかしくない」。ワイシャツとスラックスに身を包み、1・5ゲーム差で追う阪神が待つ甲子園へ向かった。

23日に発熱から特例2022で出場選手登録を抹消された。PCR検査は陰性判定だったものの、38度の熱がしばらく続いた。「申し訳ない気持ちもあった。緩んだから熱が出たとかではないと思うんですけど、もう1回シーズン最後まで、しっかりやりたいなと思います」。表情を引き締め、チームの力になることをあらためて誓った。

この日の練習をサポートした東出野手総合コーチは「勝負どころで使いたい。コロナからみんな帰ってきて、勝負どころで使えるメンツがそろった」と考えを示した。復帰初戦となる30日は、切り札としてベンチに控えることになりそうだ。菊池涼、小園、野間、上本、矢崎、そして秋山が帰ってきた。残り22試合。巻き返しへ向け、役者はそろった。【前原淳】

○…森下暢仁投手が1・5ゲーム差で追う3位阪神との3連戦初戦に先発する。4月9日に1失点完投勝利を挙げて以来の対戦となる。相手はリーグ最多12勝の青柳が先発する。「一番勝っていますし、チーム的にもこの1勝というのは大きくなると思う。この3連戦大事なのかなと思っているので、一番は勝てるのがいい」。シーズン自己最多11勝目を目指す。

○…野手主将の野間峻祥外野手は30日の阪神戦で先発復帰する。阪神先発が右下手投げの青柳ということで、左打者を並べる打線が予想される。再登録された前日28日は代打から右翼守備にも就いた。「不安もありますけど、チームはまだCSを狙える位置にいる。(残り試合は)全部重要。1試合も負けないというか、本当に最後は気持ちだと思う。みんなで勝ちに向けてやるだけ。その中で勝利に少しでも貢献できるようにやりたい」。プレーでチームを引っ張る覚悟だ。

○…前回登板で打球を右手に受けた九里亜蓮投手は予定通り31日阪神戦に先発する。24日ヤクルト戦の1回に塩見の打球が右手中指と薬指を直撃。4回降板となった。この日マツダスタジアムで調整した右腕は「全然、大丈夫です。たまたま打球が当たっただけです」と万全をアピール。「前回、長い回を投げられなかったし、自分の投球ができなかった。今回はそれができるように準備はしてきたので、自分の投球ができるようにしていきたい」と中継ぎの負担を減らす投球を誓った。

○…9月1日阪神戦の先発が見込まれる野村祐輔投手は4年ぶりの聖地星を目指す。虎打線とは今季初対戦となる。「イニングの先頭。そこは変わらず。自分のテンポで投げられるように、抑えられるように」。前回6回1失点と好投したヤクルト戦のようなリズムのいい投球をイメージする。甲子園で勝てば、18年6月23日以来となる。

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