ナカジマジックが不発に終わった。「SMBC日本シリーズ2022」の第3戦が京セラドーム大阪で行われ、オリックスが投打で精彩を欠き、ヤクルトに完敗。2敗1分けとなった。頓宮裕真捕手(25)を今シリーズ初先発で4番に抜てきしたが、相手先発の高橋を攻略できず、昨年の対決から15回連続無得点。神宮から本拠地に舞台を移しても、流れを変えられなかった。

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本拠地に集った3万3098人を熱狂させられずに終わった。京セラドーム大阪に舞台を移したが、オリックス打線は地の利を生かすことができず、1得点で敗戦。2敗1分けとなり、じりじりと土俵際に押し寄せられた。中嶋監督は「(積極的に)行けと言っているんですけどね。なかなか手がでない。それが今、点を取れない原因なのかなと思います」とシリーズ特有の緊張感があるとした。

昨季の日本シリーズ第2戦で完封負けを喫したヤクルト高橋対策に、打線をテコ入れした。4番に今シリーズ初先発の頓宮を起用するなど指揮官は動いた。しかし先制機を逃し、波に乗れなかった。

0-0で迎えた4回。先頭の吉田正が左安打を放つと、1死から5番宗が左中間二塁打を放ち、二、三塁の好機を演出。直後、中川圭がフルカウントまで粘るも、高め直球にバットが止まらず、三振。続くラオウ杉本も空振り三振に倒れ、先取点を奪えなかった。指揮官は「あそこで取れなかったのがね。(失点が)次の回ですから」と冷静に話した。頓宮も無安打に終わった。

起爆剤が欲しい。3試合でチーム本塁打は0。対するヤクルトは3戦5発。この日はオスナ、サンタナ、キブレハンの長距離砲の助っ人を3選手スタメン起用。オリックスはラベロ、バレラ、マッカーシーがシリーズ前に帰国しており、純国産打線を組まざるを得ない状況だ。最終回に中川圭、杉本、代打西野の3連打で1点を返すのが精いっぱい。白星が遠いが、中嶋監督は「まだ負けたわけじゃない。やり返すチャンスはある。やるしかない」と語気を強めた。平日のナイトゲームが続く。有給休暇を取って、チケットを握りしめるファンが大勢いる。シーズン最終戦で逆転優勝を果たした底力を今こそ見せる時だ。【真柴健】

▽オリックス杉本(ヤクルト高橋に) いい投手だというのは分かっていた。なかなか打てる球がなかった感じがした。切り替えて頑張りたい。

▼オリックスが2敗1分けとなった。過去に日本シリーズで●●発進(3戦までに△を挟む場合を含む)した38球団のうち、挽回して日本一になったのは9チーム。V確率は24%だ。直近は16年の日本ハムで、広島を相手に●●から○○○○で逆転日本一を果たした。なお今回のオリックスのように、第3戦を終え2敗1分けは過去3例。62年東映は●●△から○○○○とV達成。75年広島は阪急に△●●から△●●で敗退。86年西武は△●●から●○○○○で日本一を果たしている。

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