松坂世代のベテランが新たな金字塔を打ち立てた。プロ21年目のソフトバンク和田毅投手(42)が、先発した敵地日本ハム戦でNPB通算2000投球回に到達。史上93人目、ホークスでは1972年(昭47)の南海・三浦清弘以来51年ぶり4人目で、左腕では初めての偉業だ。5回を3安打1失点にまとめ、藤井に並ぶチーム最多の4勝目。チームの3連勝&今季最多タイの貯金6を導いた。

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温かい拍手に包まれ、和田は何度もお辞儀した。2回2死一塁。上川畑を三振に仕留め、NPB通算2000投球回に到達。笑顔で記念ボードを掲げた。両球団、両軍ファン、コンコースを歩いていた観客も足を止めて祝福した。「たくさんの方に支えられてここまで投げることができました。まだまだ投げられるように頑張っていきたいです」。節目の大台到達もベテラン左腕は「通過点」と位置づけた。

史上93人目。だが、ホークスに限ると72年の南海・三浦清弘以来、51年ぶり4人目で、左腕では初めての偉業だった。「元気であれば、もっと早い段階で達成しないといけない数字ではあるんですけども」。5回82球を投げ、3安打1失点で藤井に並ぶチームトップの4勝目を挙げた。

メジャー時代を含めればプロ21年目シーズンになる。昨オフから血糖値の管理を始め、初めて血液検査も行った。摂取した約6時間後に微妙な腹痛を感じていた乳製品が遅延性のアレルギー反応であることを知った。「野球が本当に好き。野球のために何をすればいいかっていうことを一生懸命考えて周りの方にもたくさん助けてもらいながらここまでこれました」。いまだ一線級で活躍できる理由がある。

1点リードの3回無死一塁。遊撃手今宮が、アルカンタラの正面ゴロを捕球できなかった。無死一、二塁。この日最大のピンチを背負いながらも2番ハンソンを併殺に仕留めた。「いつも(今宮)健太には助けてもらっていますし、ここは自分が助ける番だと思った。それができて本当によかったです」。日本ハム戦も通算30勝(11敗)とし、ダブルで節目が重なった。

チームの3連勝&今季最多タイの貯金6をけん引。「チームが勝ててホッとしています」が第一声だった。松坂世代の42歳は、新たな金字塔を打ち立てても謙虚だった。【只松憲】

▼通算2000投球回=和田(ソフトバンク) 24日の日本ハム10回戦(エスコンフィールド)の2回、上川畑を三振に仕留めて達成。プロ野球93人目。初投球回は03年4月1日の近鉄2回戦(大阪ドーム)。42歳3カ月での達成は、16年黒田(広島)の41歳6カ月を上回る史上最年長。

○…リリーフ陣が和田の4勝目を守り切った。2-1の6回から甲斐野、津森、モイネロ、オスナが1イニングずつを0封リレー。23日の同戦から、中継ぎ陣は全8イニングで安打を1本も許していない。鉄壁の逃げ切りでカード勝ち越しを決めた。藤本監督も「しびれる試合やったね。みんなよく投げてくれた」とねぎらった。