3勝目を挙げた阪神才木浩人投手(24)が、ムチャぶりに応えてみせた。

ノイジー、湯浅と並んだヒーローインタビュー。決勝打を放った助っ人に向け「英語でコメントを」と求められ「アイラブユー!」と叫んだ。「体が勝手に発しました」と照れ笑い。ノイジーから「アイラブユートゥー!」と返され、甲子園は沸きに沸いた。

自己最長7回2/3を投げ3安打、10奪三振、1失点。7回、巨人秋広に同点ソロを浴びても「あのホームランはしょうがない」と切り替えた。トミー・ジョン手術後、最多となる122球の力投。熱い投球を見せたから、仲間はラブコールに応えてくれる。

キャンプから追求してきたのは「真っすぐらしい真っすぐ」。シュート成分が少なく、強振されてもファウルを取れるボールを目指してきた。「相手を差し込めるようなボールが理想なんです」。手首が寝てしまい、横振り気味のリリースを修正。上からたたきつける感覚を、キャッチボールから体に覚え込ませた。意図せず直球がスライドする「真ッスラ」が武器の村上も「本当は才木みたいなきれいな真っすぐを投げたい」とうらやむ極上の直球で、押しに押した。

7回で球数は101球に達していたが「いかせてください」と首脳陣に思いを伝え、7回裏の打席へ。8回2死一塁で途中降板したが、スタンドからは万雷の拍手が降り注いだ。岡田監督は「もう十分や。スリーアウトでベンチ帰るよりも、あの形の方がみんな見てくれるで。拍手して」とニヤリ。「完投能力もあるし、(8回は)行かすつもりやった」と期待は大きい。

21日に1軍再昇格後、2戦2勝。いずれも1失点しており、背番号35は「点を取られ続けているので、そろそろゼロで。もちろんいくなら9回ゼロとか、そういうピッチングできるように頑張りたい」と堂々の完封宣言だ。決してムチャぶりではない。才木なら、できる。【中野椋】

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