巨人菅野智之投手(33)が復活星を挙げた。右肘の張りで出遅れた今季1軍初登板で、宿敵ソフトバンクに5回4安打2失点にまとめた。敵地ペイペイドームでの白星は、新人時代の13年6月15日以来、10年ぶり。1点リードで退いた6回以降は、投打でワンチームとなって守り抜き、菅野に今季初勝利をもたらした。開幕投手であれば投げるはずだった3月31日から73日目での1勝目となった。チームにとっても5年ぶりのソフトバンク戦勝ち越し、貯金1で交流戦首位タイをキープした。

  ◇  ◇  ◇

壁に直面した時、意識することは-。そう問うと、菅野は足を止め、思考を言葉にした。「野球の失敗は野球でしか取り返せないでしょ。リフレッシュとか他のことをやりながらとか、考える人もいると思うけど、自分の中では違う。やっぱり他のことをしても、ずっと野球のこと考えちゃうから」。現実を直視し、解決策は結果だけ。背負ってきた大きさが違う。菅野の野球観、覚悟がにじんだ。

張り詰めた空気も、心なしか穏やかになったようにも見えた。「ちょっと心が折れていた」という中でも、揺るがない流儀があった。「けがを美談にしてはいけない。ずっと1軍で出続ける人の方がえらいから。『あのけががあったから今の自分がある』とかは、聞こえのいい言葉かもしれないけど、2軍での調整、けがとかはない方がいいに決まっている」。人生訓が詰まっていた言葉には深みがあった。【巨人担当=上田悠太】

【関連記事】巨人ニュース一覧