ヨハン・ミエセス外野手(28)が覚悟の再来日だ。28日、母国ドミニカ共和国から入国。引き締まった体をド派手な真っ赤なスエットに包み、空港のファンを驚かせた。打撃中心にきっちり仕上げてきたといい「自信はある。今年は言い訳できない」と2年目のブレークへ決意を語った。岡田彰布監督(66)も変身を見込むミエちゃんが「主役」の期待感が漂う。
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国内線到着口。真っ赤なスエットのミエセスは、あまりにも目立っていた。ターンテーブルで荷物を待つ間、自動ドアの外ではミエちゃんと気付いた人が次々と集結してきた。
母国からニューヨーク、成田空港を経て伊丹空港に降り立った。無数のスマホを向けられても、長旅の疲れを見せず笑顔を返した。
「寒いと聞いていたので温かい格好をしようと思っただけで、目立とうという気はなかったんですけどね。あれだけファンの方が声をかけてくれるのは、すごくありがたいこと」。空港での喧噪(けんそう)を照れ笑いで振り返った。
目を引いたのは派手な赤だけではない。腰回りは締まり、顔もほっそりとして見えた。昨年の体重は120キロだったが「ミエちゃん、痩せた?」とささやくファンもいた。たくましい腕回りを触りながら「細かく測っていないし(体が)そう変わった感覚はないけど、しっかり出力が出せる状態にはあると思う。時間があるのでさらに強くなっていきたい」と自信をのぞかせた。
日本デビューした昨年は143打席で5本塁打、打率2割2分2厘と物足りない数字。それでも球団はポテンシャルの高さ、ムードメーカーの働きも加味して契約更新。意気込みは昨年と比べものにならない。
「去年以上の成績を残したいし、その自信もある。そのためにしっかり準備してきた。2年目である程度経験もあるので、今年はすべてが新しいという言い訳はできない」。
誰より伸びしろを感じているのは岡田監督だ。オフの間、元ヤクルトの本塁打王バレンティンのような打法を提案するなど、変身の可能性十分と見ている。本人にはまだ伝わっていないが、キャンプでは岡田発言を踏まえた指導が施されるかもしれない。
昨年のビールかけで繰り広げられた「ミエちゃん、今日は主役ちゃうよ。成績にちなんだ暴れ方をして」「そんなの関係ねえ」のやりとりは、祝杯のハイライトになった。グラウンドでも監督と「あうんの呼吸」となるか。今年こそ、ビールかけの主役になるべく、暴れまくりたい。【柏原誠】
◆来日2年目以降にブレークした主な外国人選手 阪急ブーマーは日本に慣れた2年目の84年に、外国人初の3冠王に。春先に戦略的に体力を温存したことが奏功した。83年に阪神入りしたバースは、夫人のホームシックや父の死を乗り越え奮起。3年目の85年に3冠王に輝き、チームを初の日本一に導いた。阪神で鳴かず飛ばずだったバルディリスは、10年オリックス監督に就任した岡田監督に拾われ急成長。安定した打撃と守備のうまさで、同年から6年連続100試合以上に出場した。来日2年で解雇寸前だった広島エルドレッドは、野村監督の希望で残留。3年目の14年に37本塁打でキングとなり、見事な恩返しを果たした。
◆阪神岡田監督のミエセス覚醒プラン 13年にシーズン日本記録となる60本塁打を放った元ヤクルト・バレンティンのような打撃を理想とし、今オフは「泳いでのホームランばっかやん。引きつけて強いスイングする必要ない、あれだけパワーあったらな」と力説。ミエセスにも前さばきのスイングを求めている。昨年の春季キャンプではヤクルト小川GMから「バレンティンなんか1年目(のキャンプで外野にも飛ばなかった)」と言われており、ミエセスにも同様の大化けを期待している。



