楽天のファーム選手の現在地をリポートする「犬鷲通信」。第3回は、昨年11月の左肩手術のリハビリを乗り越え、2年目の飛躍に懸ける吉納翼外野手(23)です。

ルーキーイヤーの昨季は2軍で95試合に出場し打率2割2分3厘、5本塁打。1軍では3打数無安打もシーズン終盤に貴重な経験を積んだ。そんな矢先、11月に左肩の反復性肩関節脱臼を発症し手術を経験。「バッティングもいい感覚をつかめていたところだったので、けがをした直後は悔しかったですけど、リハビリが始まってからは逆に進化をするチャンスだと捉えました」。

思うように野球と向き合えない中で、黒川史陽内野手(25)からかけられた言葉があった。「『俺も元々けがから始まってるし、いつかチャンスは絶対巡ってくる』と。そこだけは信じてやっていきたいと思っています」。けがを乗り越え、昨年はキャリアハイの成績を残した先輩の言葉が原動力となった。

リハビリ期間は下半身のトレーニングに重点を置き、打撃練習を再開してからは打席の中での初動を早め、自分のスイングが出来るよう意識も変えた。4月に実戦復帰して以降20試合で64打数14安打、打率2割1分9厘、2本塁打、8打点。二塁打も5本と持ち味の長打力も発揮している。外野守備でも復帰後は「肩への怖さもありましたが、今は気にならない。逆に足を使うことの大事さを学びました」とけがの功名も得た。

1軍の外野手争いが激化する中で、虎視眈々(こしたんたん)と今季初昇格を狙う。チームは現在最下位と苦境の中にいるが「ここからの逆襲という中のメンバーに自分がいれるように。結果も一番大事ですけど、結果の先に自分が練習からやりたいことが取り組めているのかを重視していきたい」。一回り大きくなった姿を見せていく。【高橋香奈】

◆吉納翼(よしのう・つばさ)2002年(平14)8月16日生まれ、愛知県出身。東邦、早大を経て24年ドラフト5位で楽天に入団。高校2年時の19年センバツで優勝。東京6大学では4年時の春秋リーグ戦で優勝に貢献、リーグ戦通算13本塁打。180センチ、89キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は730万円。