西武は29日、今季限りで25年間の現役生活にピリオドを打つ栗山巧外野手(42)の引退試合を、8月30日の楽天戦(ベルーナドーム)で行うと正式発表した。

昨年11月下旬、日本球界では異例といえる“1年後の引退”を表明した。だからこそ球団が今回、2カ月後の引退試合実施を発表できたともいえる。

ベテラン選手の引き際は極めてセンシティブな問題だ。決断のタイミング次第で、スター選手や功労者といえども必ずしも大観衆の中で引退試合を迎えられるわけではない。

25年間ライオンズひと筋の栗山には、本人の熱さに負けないほど熱いファンが数多い。ベルーナドームの観衆は今季、最大で2万7623人。29日朝の日刊スポーツの引退試合報道後、SNS上では「チケットを買えるか」という心配の声も多かった。「8・30」の観戦チケットは7月3日から順次販売される。

春季キャンプでも練習中は会釈のみを徹底して貫きながら、練習後には可能な限り、紳士的に全力で個別対応のファンサービスをしてきた選手だ。360度の「ありがとう」に包まれ、その日を迎えられるか。

そんな栗山の思いをむげにし、即席サイン会を開いた数時間後にオークションサイトなどにサイン色紙を出品している来場者たちがいるのも、また事実だ。

球団や選手たちがどれだけ願っても、そういうことは起きる。NPBの試合観戦契約約款で明確に禁止されているにもかかわらず、人気試合のチケットにはどうしても高額転売の“悪意”が混ざり込む。

「8・30」は夏休み最後の日。限られたお小遣いを栗山の勇姿を見るために使う少年少女もいることだろう。まっすぐなレジェンドの生きざまが球場全体を支配するような、そんな日になることを願いたい。【西武担当=金子真仁】