阪神が今季7度目のサヨナラ勝ちで、優勝マジックを10に減らし、この日試合のなかった2位巨人とのゲーム差を0・5に広げた。
11回、大山悠輔内野手(31)がサヨナラ本塁打で試合を決めた。
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阪神大山は待ってましたとばかりにDeNA中川虎大投手(26)の浮いたフォークをしばき上げた。お立ち台で「スコアラーさんと話して」と綿密にプランを練った打席だったことを、ほのかに示した。
口癖のように言うのは「準備」。メディアに対して面倒な説明を避けた定型句ではない。実際に信じられないほどの準備を、微に入り細に入り進めている。驚かされたことがある。自打球対応のフットガード。今のプロ野球界ではマストアイテムだが、大山はほとんどの試合でユニホームパンツの下に装着する。ひざ下までカバーする大きなタイプだが、一見では装着しているかどうか分からない。
理由は分かりやすかった。「スライディングすると壊れちゃうんですよ。」。大きな体でスライディングすると、全体重の下敷きになる大事なギアが、1回で壊れてしまうという。ロングタイプのパンツで包んでおけば、スライディングしても壊れることはない。ただ、打者走者として、スライディングのシチュエーションは二塁打か三塁打くらい。その時のために、ひと手間をかけている。
こう言っていたことがある。「あの時にこれをしておけばよかったな…とか、やり残しや悔いが残らないように、と思っています」。ミットは1年目から使い続けている。道具を大切にする心に、真剣勝負に対する意識がかいま見える。
1軍で、優勝争いの真っただ中で、1球もアバウトにすることはない。信念が結実したようなサヨナラ本塁打だった。【柏原誠】



