日本ハムが、背番号「0」を「永久欠番」とする方針を検討していることが28日、分かった。今季は日本ハムを除く11球団が使用するなど球界に浸透しているが、背番号としてはふさわしくないと球団独自で判断。今後、選手側から要望があっても、却下する方向性をフロントなどで確認している。06年3月に巨人へトレード移籍した古城が、当面は最後の着用者になりそうだ。

 球団として今オフ、強い意思を確認した。11月のドラフトで7人を指名。また巨人から二岡、林をトレード獲得し新戦力が大量加入し、背番号選択が難航したが「0」を与える案は、皆無だった。球団幹部は「選手が背中に着けるものとして『0』はどうかな、という疑問がずっとあった」という。「0」は整数ではあるが、通常は1番から始まる社会通念上の“番号”という定義では、違和感があるというのが理由だ。

 ほかにはプロ野球としての立場も、決断に踏み切った背景の1つ。小学校、中学校、高校、大学のアマチュアのカテゴリーは、社会人を除いて「0」での公式大会の出場は不可。プロ野球は日本の中ではその頂点に立ち、模範にならなければならないこともあり「0」は必要性がないと判断した。同様に05年途中で故障解雇した先発、抑えで活躍したミラバルの「00」も退団以降、他選手へ付与するのを見合わせている。

 日本ハムの「0」はかつてはテスト生から成功した松浦宏明も背負った“出世番号”ともいえるが、現状、近い将来は幻の背番号になりそう。現在、球団の正式な永久欠番は1つ。球団創設に尽力した大社義規前オーナー(享年90)に球団が用意したユニホームの背番号「100」を、同オーナーが亡くなった05年に永久欠番とした。あくまで球団内の“暗黙の了解”だが「0」も見られる可能性は今のところ、ゼロだ。【高山通史】

 [2008年12月29日10時28分

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