また1人、若武者がボクシングの世界王者に近づいた。14年12月にタイでWBAアジアミニマム級王座を獲得した加納陸(18=大成)が8日、兵庫・三田市総合文化ホールで行われた東洋太平洋ミニマム級暫定王座決定戦で判定勝ちした。
得意パンチは、左ストレートと右フックの左ボクサーファイター。中学時代に15歳以下の47・5キロ級で全国優勝したが、高校には進学せずに13年にフィリピンでプロ生活をスタート。その後もアジアを転戦し、昨年6月の国内プロデビューまで7試合を海外でこなした。姉葉月(21)はグラビアアイドルとして活動中で、加納も端正な顔で女性ファンも多いが、厳しい異国でもまれてきた経験を力に変えている。
大目標がある。18歳9カ月10日でWBC世界ミニマム級王座を獲得した井岡弘樹の国内最年少世界王者記録更新だ。97年11月生まれの加納にとって、その記録のリミットは今年の8月になる。陣営も、歴史を塗りかえるために、綿密な試合スケジュールを立ててここまできた。
苦しい時も心を突き動かしてくれる友が、天国にいる。ジム同僚でプロボクサーだった服部海斗さんが、昨年2月24日に慢性骨髄性白血病のため17歳の若さで死去。志半ばで、あまりにも早くこの世を去った親友のためにも、加納は世界の頂点に立つ。【木村有三】

