今年の福岡は早くも寒い。最後まで外套(がいとう)を羽織る力士の姿がほとんどなかった昨年と違って、場所前から一段と寒い。風邪気味の関取もちらほらいる。今年は6年ぶりに、ペルー沖の太平洋の水温が平年より低い「ラニーニャ現象」が発生していて、そういう年は厳冬だとされる。力士は暑さが大の苦手だが、裸にまわし姿で稽古するだけに寒いのだって当然、苦手。なにやら波乱の予感がするので、ラニーニャ現象が起こった年の九州場所をさかのぼってみた。

 6年前の2010年を覚えている人は多いだろう。2日目、双葉山が持つ最多69連勝まで、あと6連勝に迫っていた横綱白鵬が稀勢の里に敗れた。最終的には18度目の優勝を飾るも、豊ノ島との優勝決定戦にまでもつれもした。

 その前に発生した07年は、朝青龍が謹慎処分を受けている中、結局は優勝する白鵬だが、中日までに2敗する珍しい展開だった。

 05年は独走した朝青龍が史上初の7連覇と年6場所完全制覇の偉業を成し遂げ、さらに琴欧洲が大関昇進を決めた。99年は武蔵丸と貴乃花の両横綱が千秋楽で相星決戦を演じ、98年は琴錦が史上初の平幕2度目の優勝を果たした。

 さらにさかのぼると、95年は若貴兄弟の史上初の兄弟優勝決定戦が行われ、兄若乃花が制した。そして88年には昭和最後の一番となった千秋楽結びで、千代の富士が大乃国に敗れて連勝が53で止まっていた。ちなみに73年には輪島が27連勝で、67年には大鵬が25連勝で止まっている。

 とまあ若干、強引なこじつけではあるが、ラニーニャ現象が起こった厳冬の九州場所では何かしら、盛り上がる要素が生まれている。豪栄道の綱とりに始まり、白鵬の通算1000勝、高安の大関とりなど話題が詰まっている今場所。一体どんな展開が待ち受けているだろうか。【今村健人】