大相撲裏話

AEDに救われた命“稽古”のたまもの

稽古はうそをつかない。土俵外でも、そんな出来事が起きたのは今月4日、愛知・犬山市の寺に宿舎を構える出羽海部屋。初日を3日後に控えた午前7時45分だった。序二段力士の稽古を指導中の出羽海親方(51=元前頭小城ノ花)の心臓が停止。座っていたベンチから突如、前のめりに倒れた。だが序二段小城虎を中心に、若い衆の素早い対応で同親方は3日目の9日に職務復帰。後遺症もない。

御嶽海(左)に水をつける出羽海親方(2018年7月22日撮影)
御嶽海(左)に水をつける出羽海親方(2018年7月22日撮影)

病名は冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症。血栓も、血管にも異常はなかったが突発的に起きた。しかも最初の心臓停止から約15分後、再び心臓が停止。2度とも日本相撲協会が全46部屋に配布した自動体外式除細動器(AED)を使い、意識を取り戻した。2度目の際にAEDを使用した、実弟で部屋付きの中立親方(元小結小城錦)は「引退直後に、たまたまAED講習を受けていた」と振り返った。現在は全部屋でAED講習を定期的に実施し、その成果が出た。

出羽海部屋では90年2月の稽古後、前頭龍興山が虚血性心不全のため22歳で亡くなっている。出羽海親方とは同い年で新十両も新入幕も一緒。同親方はかつて「あんなことだけは避けたい」と話していた。龍興山の急死を機に、相撲協会は定期的な心電図検査を義務づけ、AEDも取り入れた。“稽古”を重ねてきたからこそ、救われた命だった。【高田文太】

取組を見るだけじゃ分からない、日刊スポーツの大相撲担当記者が土俵周辺から集めてきた「とっておきネタ」をお届けします。

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