プロボクシングWBC世界バンタム級1位那須川天心(28=帝拳)が26日、ZOZOマリンスタジアムで開催されたプロ野球、ロッテ-ソフトバンク戦のセレモニアルピッチを行った。

好きな数字という背番号「44」のユニホームを着用し、マウンドに立ったものの、ワンバウンド投球となった。千葉・松戸市出身の那須川は「県くくりでいったら地元。お客さんの声もしっかりと聞こえた。『魔物が棲んでいる』というが『これか』と思いましたね。マウンドは最高でしたよ。リングではないけど戦う舞台は一緒なので、その景色をプレーヤーとしてみられたかな」と振り返った。

セレモニアルピッチを任された際、ロッテから「スカウトが来ないように制御して投げさせていただきます」との意気込みコメントが発表されていた。セレモニアルピッチを終えた那須川は「やっぱ今日の(投球)で野球のオファーというものはグッと下がったかなと実感している。また草野球からやり直していきたい。やっぱ『付け焼きびゃー』(付け焼き刃)じゃできないなと思いましたね。ちゃんと練習しなくちゃいけないし。身体操作はうまくなったけど実際に真っすぐ投げるのは難しいなと」とジョーク交じりに苦笑した。

格闘家時代の18年5月、横浜DeNA-中日戦(横浜スタジアム)、ボクシング転向後も23年11月、アジアプロ野球チャンピオンシップ(東京ドーム)で始球式を担当した那須川は「今日は3回目で、1番しっかりと投げることができたかなと思う。点数をつけるとしたら120点ですかね。満点は170点なので、50点足りなかった。意気込みは見せられることはできたかな」とギリギリ及第点を出した。

9月27日にはトヨタアリーナ東京で同級王者井上拓真(30=大橋)との再戦を控える。決戦まで1カ月前の時期にセレモニアルピッチのオファーを受けたことにも「プロである姿は自分の中でこういうこと。ただ試合して、ありがとうございましたっというのは誰でもできること。興行だし、どれだけ多くの人に見てもらうかと念頭に置いている。だからチヤホヤされたいとか有名になりたいからと思われる方もいるとは思うが、そんなことない。チヤホヤされきって、有名だし。これ以上、誰に承認されたいとかない。ボクシングをしっかり見てもらいたいとうことで挑みました」と真剣な表情だった。【藤中栄二】